注文住宅の玄関でよくある失敗と対策を知って後悔しない家づくりをしよう!
玄関に立つ小学生の女の子

家づくりコラム

注文住宅の玄関でよくある失敗と対策を知って後悔しない家づくりをしよう!

玄関に立つ小学生の女の子

注文住宅を建てるにあたって、玄関の失敗を避けたいと考える方は多くいます。使い勝手が悪い玄関は、毎日のストレスになったり、友人を招くのが恥ずかしくなったりする原因です。この記事では、玄関でよくある失敗例7つとおすすめの設備、失敗を避けるためのコツを紹介します。新居の玄関選びに迷っている方や、使いやすくておしゃれな玄関を作りたい方はぜひ参考にしてください。

注文住宅の玄関でよくある失敗7つと回避方法

注文住宅の玄関全景

玄関は家族全員が1日に何度も使う場所のため、設計に失敗してしまうと日常生活に大きな影響を及ぼします。注文住宅の住み心地にも直結する部分なので、玄関で多く見かける失敗例を7つ紹介しましょう。

玄関の断熱性が足りなかった

玄関のドアにも窓と同様に断熱性能の違いがあるものの、意外と知られていません。デザインや値段を重視した結果、断熱性の低いドアを選んでいたというケースもあります。玄関ドアの断熱性が低いと、外気温が室内に伝わりやすいというのが問題です。夏は暑く、冬は寒い玄関になってしまい、帰宅時や来客時に不快な思いをしてしまいます。

LIXILの玄関ドアを例に挙げて、断熱性を示す「熱貫流率」の数値を比較してみましょう。

ドアの種類熱貫流率
一般的なモデル2.04
高断熱モデル0.79
(参考:LIXIL ビジネス情報「対象製品性能一覧」)

一般的なモデルに比べ、高断熱モデルは約2.6倍の断熱性を持つことがわかります。「玄関は通り道だから、それほど温度を気にしない」と考えるかもしれません。しかし、玄関の断熱性が低い場合、間取りによってはリビングの室温にまで影響を及ぼします。冷暖房の効きが悪くなり、光熱費の増加につながるのもデメリットです。

注文住宅の玄関ドアは、カタログやメーカーサイトで断熱性能を確認すると失敗せずに済みます。家を建てる地域の気候について疑問があれば、地元の工務店に問い合わせてみるのもおすすめです。

センサー付き照明の位置が悪かった

注文住宅の玄関に人感センサー付きの照明器具を取りつけた場合の失敗として、位置の悪さが目立ちます。帰宅時にドアを開けたら明かりがつく予定だったものの、センサーが遠すぎて反応しないというケースです。結局、暗がりの中で照明のスイッチを探さなくてはならず、センサー付き照明を取りつけた意味がありません。

また、玄関の外にセンサー付き照明を設置する場合もあります。夜遅くに帰宅しても足元を照らしてもらえるので安全な上、カバンから鍵を取りだす際も便利です。しかし、室内と同様に設置位置が悪いと、段差のある場所を歩いていてもセンサーが反応せずに暗いままになってしまいます。

センサー照明は、室内側では玄関ドアとホールの中間くらいに、玄関の外ではポーチや段差の手前に設置しましょう。ただし、細かな調整は素人には難しいので、専門家に相談しながら決めるのが失敗を防ぐ方法です。

シューズクロークに換気扇をつけなかった

注文住宅の玄関で人気のシューズクロークは、靴やベビーカー、掃除道具などを収納できます。屋外で使うものを片づけられて便利な一方で、臭いが気になりやすいというのが問題です。訪問客に不快な思いをさせるだけでなく、間取りによってはキッチンやリビングまで臭いが届いてしまいます。

臭いの失敗を避けるためには、シューズクロークに換気扇を設置するのがおすすめです。お子さんが野球やサッカーを始めてから靴の臭いが気になり出すご家庭も多く、「新築時につけておけば良かった」という後悔の声もあります。また、換気扇は臭いの軽減だけでなく、湿気の緩和にも役立つ設備です。

窓を開けても換気はできますが、防犯性や断熱性が低下するという課題があります。標準レベルの換気扇でも十分に換気できるので、注文住宅を建てる際は検討してみましょう。

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吹き抜けにしてしまった

玄関に明るさと開放感を求める人にとって、吹き抜けは非常に魅力的な間取りです。しかし、「吹き抜け玄関にして失敗した」というケースも多く見受けられます。吹き抜けを設けると上階の床面積が減少し、間取りに制約が生じるためです。視覚的な広がりが叶えられても、必要な居住スペースを削られてしまいます。面積に余裕のある家では問題ありませんが、まずは他の部屋の間取りを優先したほうが無難です。

吹き抜けを導入したい場合は、リビングをおすすめします。リビングを吹き抜けにし、階段を配置すれば、階段下のデッドスペースも生まれません。明るい雰囲気のリビングに仕上がるだけでなく、家族間のコミュニケーションが取りやすい間取りとなります。

玄関を吹き抜けにするのが失敗というわけではないので、デメリットを十分に理解した上で設計すれば後悔は減ります。専門家に相談しながら、慎重に検討を重ねましょう。

スマートキーを導入しなかった

スマートキーとは、リモコンやスマホ、カードキーを使って玄関ドアを簡単に施錠・解錠できるシステムです。鍵を鍵穴に差し込む必要がなく、玄関先で鍵を探さずに済みます。雨や風の強い日、赤ちゃんを抱っこしているときでも簡単に出入りできて便利です。

スマートキーは住宅の防犯性を高めるのにも役立ち、お子さんに鍵を持たせているご家庭にも適しています。たとえば、カードキーの場合、登録を解除すれば使用できなくなる仕組みです。そのため、お子さんが玄関の鍵を紛失しても、職場から無効にできます。製品によってはお子さんがスマートキーで鍵を開けると親のスマホに通知が届く機能もあり、仕事中でも見守れて安心です。鍵の閉め忘れを防ぐ自動ロック機能など、従来の鍵よりも使い勝手が格段に向上しています。

スマートキーの導入は生活の利便性と安全性を大幅に向上させるため、玄関に設置しないと失敗したと後悔しやすい設備です。注文住宅の玄関には、スマートキーの導入をおすすめします。

玄関だけ広くしてしまった

広い玄関は使い勝手が良く、見栄えも良いので、注文住宅で人気の間取りです。しかし、玄関を広く設けた結果、住み心地が悪くなってしまう失敗もあります。間取りを考える際には、他の部屋とのバランスを考えるのが重要です。

リビングやキッチン、寝室などの配置と同時に、収納についても考慮する必要があります。収納スペースが不足してしまうと、玄関に靴や掃除道具などが散乱しがちです。ゆったりと家族が団らんできる広いリビングや、季節のアイテムや日用品が収納できるスペースを確保した上で、玄関の広さを検討しましょう。

全体がスッキリとした印象の家であれば、コンパクトなつくりの玄関でも広く感じられます。玄関の広さにこだわりすぎると失敗につながりやすいため、間取りはバランスをとるのが重要なポイントです。

宅配ボックスを設置しなかった

玄関先に宅配ボックスがあると不在時でも荷物を受け取れるため、注文住宅でも非常に人気があります。とくに共働き世帯のように、日中不在にしがちなご家庭では「設置せずに失敗した」と感じるようです。

宅配ボックスは入居後に後づけできるものの、設置スペースに制約ができてしまいます。事前にスペースを確保しておかないと、希望のサイズのものを置けなくなってしまうのが問題です。大きな荷物を入れられる宅配ボックスのサイズは約40cm×50cmとなり、扉を開けて中の荷物を出し入れするための広さも必要となります。

見た目を考えても、新築時に設置したほうがスッキリと収まるでしょう。ネットショッピングの利用が多いようでしたら、設計段階で宅配ボックスを設置するのがおすすめです。


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注文住宅の玄関で失敗を避けるためのドア選び

注文住宅の玄関ドア

注文住宅の玄関で失敗しないためには、玄関ドアの種類にも注意が必要です。玄関ドアにはさまざまな種類があり、ご自身の好みやライフスタイルに合わせて選べます。代表的な5つの種類の玄関ドアと、それぞれの特徴、メリット・デメリットについて紹介しましょう。

片開きドア

片開きドアは、扉が1枚で押すまたは引くと開閉できる仕様のドアです。最もスタンダードな扉で、「シングルタイプ」とも呼ばれています。デザインが豊富で選択肢が多いというメリットがある一方で、横幅が狭く大型家具や家電の搬入が難しいという点がデメリットです。

両開きドア

両開きドアは扉が2枚あり、左右両方の扉を日常的に開閉できます。大型家具や家電の搬入時に便利で、高級感のある玄関に仕上がるのがメリットです。ただし、開閉時に広いスペースが必要となるため、敷地に余裕がないと失敗の原因となってしまいます。

親子ドア

親子ドアはサイズが異なる2枚の扉で構成され、通常は片側だけを開閉します。荷物の搬入時には両方の扉を開けられ、片開きドアと両開きドアの両方の特徴を持ち合わせているのがメリットです。小さな扉をすりガラスにすれば、暗い玄関でも採光を確保できます。

スライディングドア

スライディングドアは、1枚扉を左右にスライドさせて開閉する仕様です。扉を手前に開ける動作が不要のため、お子さんや高齢者でも簡単に開閉できます。どなたでも無理なく操作できるため、バリアフリー対応住宅でも人気の扉です。

引き戸

引き戸は、2枚扉を左右にスライドさせて開閉する仕様です。段差がなく、ベビーカーや車いすでの出入りがスムーズにできるのがメリットです。通常の出入りは扉1枚分のスペースで行うものの、扉を外せば開口部が2倍の広さとなります。

玄関で失敗しないための便利な設備3選

玄関で身支度をチェックする女性

玄関で失敗したくない人におすすめの、あると便利な設備は次の3つです。高額な費用をかけずに取りつけられるため、注文住宅の玄関にも手軽に設置できます。

ニッチ

ニッチとは、壁面の一部をくぼませて物を収納したり、飾ったりするスペースです。壁の厚みを利用した棚のようなもので、インテリアのアクセントとしても活用できます。ニッチの背面に色や柄を入れるとセンス良く決まり、手軽に玄関の雰囲気をおしゃれにできるでしょう。

姿見

玄関に姿見があると、出かける前に身だしなみの最終チェックができて便利です。ただし、姿見のサイズや重さによっては、ネジや釘を打てるように壁に下地が必要となります。設計段階で場所を決めておくと、入居後の設置がスムーズです。姿見は明るさによって見えやすさが異なるため、位置を決める際はプロの意見を参考にしましょう。

コンセント

玄関にコンセントがあると、さまざまなシチュエーションで使えて便利です。たとえば、除湿機をつないだり、アロマランプで香りを漂わせたりできます。シューズクロークを設置する場合、掃除機を充電しておくのもおすすめです。来客前にサッと掃除でき、いつでも玄関を清潔に保てます。

玄関での失敗を避ける間取りのコツ

明るくておしゃれな玄関

注文住宅の玄関を失敗せずに仕上げるためには、見た目のデザインや収納以外の要素も重要です。ここでは代表的な3つのコツを紹介しますので、玄関の間取りを考える参考にしましょう。

採光を確保する

玄関が明るいと、入った瞬間に開放的な雰囲気を感じられます。日中は自然光を感じられるのが理想的なので、電気を使用しなくても済む設計がおすすめです。玄関ホールや廊下に窓をつけたり、玄関ドアの一部がすりガラスになっていたりすると、採光を確保しやすくなります。

断熱性を高める

玄関の断熱性は家全体の温度に影響するため、ドアや窓は断熱性の高いモデルを選ぶのがおすすめです。とくに高断熱・高気密住宅を建てる場合、エネルギー効率が大幅にアップします。同じデザインでも断熱性能に違いがある製品も多いので、カタログやメーカーサイトを細部までチェックしましょう。

防犯面に注意する

玄関は空き巣の侵入経路となりやすいため、ドアやポーチの窓ガラス部分には注意が必要です。割れにくい防犯ガラスを選んだり、窓の枠に格子をつけたりすることで防犯性を高められます。玄関ドアの鍵もピッキングされにくいタイプを選ぶと、侵入される確率が下がって安心です。

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まとめ

玄関は住宅の印象を決める重要な部分であり、家づくりにおいて失敗したくない場所の1つです。記事で紹介した失敗例を参考に、他の部屋とのバランスや十分な収納スペースの確保を考慮した上で、注文住宅の間取りを考えます。実績豊富なハウスメーカーや工務店に相談し、理想の玄関を実現しましょう。

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