注文住宅の防犯ガイド!空き巣に狙われないための対策5つの重要ポイント
注文住宅の玄関

家づくりコラム

注文住宅の防犯ガイド!空き巣に狙われないための対策5つの重要ポイント

注文住宅の玄関

注文住宅をはじめ、一戸建てに住む人の中には、防犯への不安を抱える方が多くいます。とくに共働き世帯では、空き巣被害を未然に防ぐための家づくりが人気です。侵入窃盗事件が戸建て住宅で発生しやすいのには理由があるので、きちんと対策しておけば安心して生活できます。

今回は、注文住宅に導入しやすい「防犯設備」の紹介や、日々の暮らしで注意したいポイントを解説します。戸建て住宅のセキュリティを高めたい方や、防犯に関心をお持ちの方は最後までお読みください。

注文住宅は個人での防犯が不可欠

注文住宅のフェンス

一戸建て住宅では各自で防犯を対策する必要があり、注文住宅でも重要性は変わりません。警察庁のデータによれば、令和4年に発生した侵入窃盗事件の44.5%が住宅を狙ったものであり、その中で一戸建て住宅が17.6%を占めています。安心して生活するためには、災害対策だけでなく、防犯についても考慮しましょう。

(出典:警察庁「侵入窃盗の発生場所別認知件数」)

注文住宅が侵入窃盗犯に狙われる理由

一戸建て住宅で侵入窃盗事件が多く見受けられる背景には、家の立地や構造に関する要因が考えられます。

セキュリティが甘くなりやすい

マンションのような集合住宅と比較して、注文住宅では防犯が甘いという傾向があります。犯人は容易に侵入できる家を狙うため、一戸建て住宅では警戒が必要です。防犯カメラの設置や警備会社のシールを貼るなど、外部から見てもわかるように対策しましょう。

人目につきにくい

一戸建て住宅は、立地によっては外部からの見えにくくなります。マンションやアパートよりも住民に出くわす可能性が低く、空き巣にとっては好都合です。プライバシーを重視する注文住宅では、高い壁や植木で囲むデザインが人気となっているため注意しましょう。

ドアや窓が複数ある

注文住宅では、さまざまな方向にドアや窓が存在します。出入口の多さは、空き巣の侵入経路を増やす原因となるのが問題です。勝手口や2階の窓、物置、カーポートは犯行を容易くしてしまう可能性があります。建築の段階で専門家に相談し、防犯を強化する工夫が必要です。

注文住宅で導入したい防犯設備

家と南京錠

戸建て住宅は集合住宅と比べて、外部から侵入しやすいという問題があります。とくに注文住宅では住んでいる人が対策を講じる必要があり、家づくりの中で「侵入を困難にする」取り組みが重要です。戸建て住宅のセキュリティを強化するためのアイデアを5つ紹介しましょう。

センサー照明

センサー照明

センサー照明とは、人の動きを感知して自動的に点灯する照明です。防犯としてメジャーな方法で、多くの家庭で採用されています。センサー照明を効果的に導入するためには、「電源の種類」「設置場所」「誤作動のリスク」に注意が必要です。

電源の種類

センサー照明には「家から電源を取るタイプ」と「太陽光で電源を取るソーラータイプ」があります。ソーラータイプは、電気代はかからないというのがメリットです。ただし、天候やバッテリーの劣化により動作が不安定になるという課題があります。いつでも正常に作動させるためには、家から電源を取るタイプのほうが信頼できます。

設置場所

センサー照明は、以下のような窃盗犯の侵入経路となりやすい場所に設置するのがおすすめです。

不審者が近づくとセンサーが反応して照明が光るので、防犯効果が期待できます。

誤作動のリスク

センサー照明が頻繁に誤作動を起こすと、防犯効果が薄れてしまうので注意が必要です。道路際やペットの通り道、エアコン室外機や植木の近くは、誤作動が起こりやすい場所として挙げられます。製品ごとに感知範囲や設置角度が異なるため、専門家と相談しながら適切なセンサー照明を選びましょう。

防犯カメラ

防犯カメラ

自宅に防犯カメラを取りつけることは、決して大げさではありません。一般住宅でも侵入窃盗は多発しており、最悪の場合は強盗殺人の危険性もあります。「日本は安全」と過信せずに、自己防衛をしっかりとおこないましょう。

防犯カメラの種類

防犯カメラには「ボックス型」「バレット型」「ドーム型」の3つの主要なタイプがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。

種類特徴
ボックス型・スーパーのような店舗で多く目にする四角い箱型のカメラ
・存在感があり、防犯効果が高い
・一戸建て住宅だと外観に似つかわしくない場合もある
バレット型・筒状で、レンズの位置が外から確認できるカメラ
・撮影範囲がわかるため、犯人が死角をつきやすい
・パッと見て防犯カメラとわかるデザインのため家の雰囲気に合わない可能性もある
ドーム型・丸型で、ドーム状のカメラ
・本体が目立たず、家の景観に馴染ませやすい
・見た目で防犯カメラとわかりにくい分、警戒されにくい

接続と記録方法

防犯カメラの接続と記録方法は「有線+ハードディスクレコーダー型」と「SDカード+Wi-Fi型」の2種類です。それぞれのメリットとデメリットは、以下の表のようになります。

メリットデメリット
有線+ハードディスクレコーダー型・長期の記録が可能
・安定して記録できる
・工事費がかかる
SDカード+Wi-Fi型・配線が少ない
・コストが抑えられる
・記録時間に制限がある

初期費用と設置場所

初期費用に余裕がある場合は、「有線+ハードディスクレコーダー型」がおすすめです。費用を住宅ローンに含められる可能性もあるため、不安がある方は工務店の担当者に相談してみましょう。

設置場所としては、以下のような場所が効果的です。

夜間の映像を鮮明に残すためには、センサー照明と組み合わせる方法もあります。ライト内蔵型のカメラもあるので検討してみましょう。

ダミーカメラ

防犯カメラにはダミーも存在するものの、プロの空き巣は高い確率で見破れるとされています。セキュリティ度合いを考えると、ダミーカメラはおすすめできません。本物の防犯カメラを導入するにあたって初期費用が不安な場合は、「SDカード+Wi-Fi型」の製品を検討しましょう。

玄関スマートキー

玄関スマートキー

玄関スマートキーは、ボタン操作で手軽に施錠や解錠が可能なシステムです。シリンダー錠のように鍵を差し込む手間がなく、自動車の鍵と同じように簡単に使えます。さまざまな機能を備えているので、防犯面での役立て方を見てみましょう。

自動施錠機能の防犯効果

自動施錠機能があれば、一定時間が経過すると自動的に鍵が施錠されるので安心です。警察庁のデータによれば、空き巣事件の51.2%が鍵の閉め忘れが原因とされています。玄関のスマートキーに自動施錠機能があれば、侵入窃盗事件の防止に有効です。
(出典:警察庁「住まいる防犯110番」)

キー登録機能によるセキュリティの向上

スマートキーは、スマホやリモコン、カードキーを個別に登録する必要があります。キー登録機能のおかげで、鍵をなくしても簡単に登録解除ができて安全です。たとえば、お子さんがカードキーを紛失した場合、登録解除をおこなえば不正な使用を防げます。

施錠確認機能による安心感

施錠確認機能は、外出先から玄関の鍵が施錠されているかをスマホで確認できる機能です。外出先から鍵を閉められるモデルも存在し、外出後に「鍵を締め忘れたかもしれない」と心配せずに済みます。小さなお子さんと一緒に家を出発するご家庭や、職場が遠い方にとっても便利です。

シャッター

シャッター

注文住宅では、シャッターを設置するか否かは自由に選べます。シャッターは災害時にガラスの割れを防ぐだけでなく、防犯としても効果的です。外から見えにくい位置の窓に取りつければ、夜間のプライバシーを守りやすくなります。

デメリット

シャッターにはいくつかのデメリットが存在し、中でも注意したいのが以下の3項目です。

費用窓の大きさや種類によっては高額になるため、予算と性能の折衷案を考える必要がある
家の外観への影響シンプルな外観を望む場合、窓から出っ張る枠やボックスが邪魔になってしまう可能性もある
開閉時の音手動よりも電動のほうが音を軽減できる傾向があるものの、事前にモデルルームでの確認が必要

設置場所

防犯を目的としてシャッターをつける場合、大きな窓や掃き出し窓への設置が推奨されます。ただし、窓ガラスの性能や立地によっては不要なので、予算や外観デザインへの要望と照らし合わせながら検討しましょう。設計担当者と打合せする際は、日中留守にする頻度や長期不在の可能性についても伝えておくと適切なアドバイスがもらえます。

勝手口

勝手口

一戸建て住宅において、空き巣に狙われる侵入口の1つが勝手口です。勝手口は防犯の妨げになるからと懸念される傾向があり、設置を見直す方も多く見受けられます。勝手口を省くと、コスト削減や断熱性が向上するというのがメリットです。ただし、必ずしも省略する必要はなく、勝手口をつける場合は以下のような対策を講じましょう。

センサー照明の設置

勝手口周辺にセンサー照明を取りつけておくと、人の気配を感知して夜間でも明るく照らし出します。ドアや窓の隙間から明かりが差し込めば、室内にいても不審者に気づけて安心です。

ツーロック仕様の鍵を取りつける

勝手口の鍵を2つ取りつけておくと、空き巣が侵入しようとしても鍵を壊す時間が2倍になります。侵入窃盗犯は人目を嫌うため、侵入に時間がかかる場所を避けるのが特徴です。勝手口に限らず、ツーロックは防犯への対応として非常に役立ちます。

脱着サムターンを採用

サムターンとは、ドアの内側についているツマミの部分です。着脱サムターンは、ドアを施錠後にサムターン部分を外せます。侵入窃盗犯が多く使う、ドアの外から手や器具を入れて解錠する「サムターン回し」を防げるのが特徴です。

特殊フィルムの貼付

勝手口の扉がガラス使用の場合、特殊なフィルムを貼りつけて簡単に突き破れないようにできます。フィルムの種類はさまざまなので、ドアや鍵の性能に応じて適切な製品を選ぶのが大切です。勝手口についての打合せの際に、専門家の意見を聞くと参考になるでしょう。

注文住宅の暮らしで注意したい防犯と対処方法

玄関の鍵の防犯を確認する手元

防犯設備が備わった注文住宅を建てたとしても、日常生活での警戒は大切です。新居で暮らしはじめてからも、防犯に気を配りましょう。侵入や窃盗被害から身を守るポイントや、万が一の場合の適切な対処法について紹介します。

高い塀や生垣は避ける

近隣や通行人の視線が気になる場合でも、家の周りを塀や生垣で囲むのは危険です。視界が遮られると、侵入者の標的にされやすくなるので留意しましょう。外周にフェンスを設置する際は、見通しの良いデザインを選びます。庭に木を植えるのであれば、茂みをつくらないように定期的な剪定が不可欠です。外観のデザインは、防犯を意識したうえで決定すると安心して暮らせます。

長期留守にする際は郵便を一時停止する

注文住宅では、郵便受けは通りに面して配置されているのが一般的です。郵便物がたまっていると外からでもわかってしまうので、旅行や出張の際は注意しましょう。最寄りの郵便局で手続きをおこなえば、郵便は一時停止可能です。同様に、新聞や宅配便も不在中は配達されないように手配しておくと、周囲に不在だとわかりにくくなります。

ホームセキュリティへ加入する

ホームセキュリティへの加入は、安全な生活を実現するための第一歩です。外出中の侵入者を検知し、自動でセキュリティ会社や警察に通報する機能が備わっています。日中不在にしがちな家庭でも、万が一の際に迅速な対応が期待できて安心です。

さらに、ホームセキュリティは火災検知や緊急車両の手配など、トラブルが発生した場合のサポートもあります。

まとめ

注文住宅を建てる際は、防犯が極めて重要です。新築住宅はきれいで目立ち、空き巣の標的になりやすい傾向があります。侵入窃盗は不在時だけとは限らず、身体への危害が伴う危険性もゼロではありません。家族の安全を守るためにも、防犯については慎重に検討しましょう。

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