後悔しやすい注文住宅の設備13選!時代遅れを避けるために注意したいポイントを解説
注文住宅のお洒落なリビング

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後悔しやすい注文住宅の設備13選!時代遅れを避けるために注意したいポイントを解説

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注文住宅の設備を選ぶ際は、住宅会社の提案を鵜呑みにしてはいけません。本当に必要なのか、将来的に時代遅れにならないかを慎重に検討しましょう。せっかく費用を払って導入しても、活用できなければ無駄な出費です。この記事では、時代の変化に伴って使われなくなってきた注文住宅の設備13種類を例に出して、その理由や注意点を解説します。入居後の後悔を避けるために、ぜひ参考にしてください。

注文住宅の設備は理想と現実のギャップで後悔しがち

せわしなく玄関を出る親子

注文住宅の計画中は魅力的に感じた設備も、実際に生活を始めると不要と感じるケースがあります。入居前は設備を活かして便利でおしゃれな暮らしをイメージしていたのに、現実は時間に追われてそれどころではなかったなど、「理想と現実」のギャップが主な原因です。

多くの人にとってマイホームは憧れの存在であり、人生の中で大きな買い物となります。後悔したくないという気持ちが強くなり、「便利そう」や「人気がある」といった理由から必要だと感じてしまいがちです。思い入れが強い人ほど、完璧なマイホームを目指そうとする傾向があります。しかし、設備の要不要はライフスタイルや家族構成によって異なるため、世間の声はあくまで参考に過ぎません。

たとえば、アンケートで「導入して良かった」という声が1位の設備は、「後悔した」というランキングでも上位に入っている場合がほとんどです。ご自身や家族にとって必要かどうかを見極めることが何よりも大切な基準となります。決められない場合は、様子を見てからリフォームで導入するのも1つの方法です。

後悔しやすい注文住宅の室内設備7選

吊り戸のある注文住宅のキッチン

注文住宅の家づくりには、自由に設備を選べるというメリットがあります。しかし、選択肢が多すぎて迷ってしまい、つい衝動的に選んでしまいがちというのが課題です。入居後に「使わなくなってしまった」という後悔を招く恐れもあるため、室内で注意したい7つの設備を紹介します。

キッチンの吊り戸

キッチンの上に付ける吊り戸は、ここ10年ほどでかなり減ってきました。主な理由は、オープンキッチンが人気を博しているためです。吊り戸のないキッチンは、開放感があり、デザインもおしゃれで、SNSや雑誌で注目を集めています。また、使い勝手の観点から考えると、身長の低い方や年配の方にとっては、吊り戸は高すぎて不便です。

一方で、吊り戸がないと収納スペースが減ってしまうため、パントリーを設けるとストックの管理がしやすくなります。

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多機能なIH

IHは、火を使わずに鍋やフライパンを温められて安全なため、注文住宅でも人気があります。シンプルな調理のみに対応しているものから自動で火加減や加熱時間を調整してくれるものまで、さまざまな種類から選べるというのも特徴です。

しかし、多機能なIHに魅力を感じたものの、実際には基本的な機能しか使わなかったと後悔する人も多くいます。シンプルなIHでも普段の調理には困らないため、忙しくて自炊の時間が取れないご家庭では無理に多機能なタイプを選ばなくても十分です。

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ビルトイン浄水器

ビルトイン浄水器は、キッチンの流しの下に取り付けるタイプの浄水器です。水道の配管につなぎ、塩素などを取り除いて水をキレイにできる仕組みです。水の味や臭いが気になる人に選ばれてきましたが、最近では「後悔した」という声が増加しています。

ビルトイン浄水器は、カートリッジが高価なため、1年ごとの交換に2万円前後かかります。しかし、蛇口のネック部分にフィルターがついた蛇口内蔵型浄水器は交換用フィルターが安価で、交換も簡単です。性能もビルトイン浄水器に劣らず、普及が進んでいます。

床下収納庫

床下収納庫は、フローリングの下に取り付けた大型収納スペースです。床下の空間を有効活用できるものの、荷物を出し入れする際に腰を曲げる必要があります。腰に負担がかかり、高齢者にとっては腰痛のリスクが高くなってしまうというのが難点です。

また、フタの部分が弱く、人が頻繁に歩くとたわんでしまう問題もあります。修理や交換の費用がかかる可能性もあり、導入を控える人も増えてきました。若い世帯でも、パントリーのほうが使い勝手は良いと考える傾向があります。

小屋裏収納

小屋裏収納とは、屋根と天井の間のスペースを有効活用する収納方法です。アウトドアグッズや季節のアイテムなどをしまっておくのに便利で、注文住宅でも人気があります。しかし、ハシゴを使って昇り降りするため、安全面への配慮が不可欠です。

小屋裏収納を設ける際には、建築基準法だけでなく、地域の市町村の規制も適用されます。住宅会社や工務店の担当者に相談し、違法建築にならないように注意しましょう。

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壁掛けテレビ

テレビを壁に取り付けると、部屋がスッキリしておしゃれに見えます。テレビ台の角で子どもがケガをする心配がないと子育て世帯にも人気です。ただし、一度取り付けたら位置を変えるのが難しく、移動には費用がかかります。

専用の金具や補強、配線工事が必要なため、テレビの購入費用とは別に10万円程度かかるのが課題です。インテリアの流行だけでなく、テレビそのものの必要性も踏まえた検討をおすすめします。

お風呂の鏡

お風呂場の鏡は水垢がつきやすく、少しでも放置してしまうと落とすのが大変です。掃除の手間を考えずに大きな鏡を付けて後悔しているご家庭も多く、最近では設計段階で外せる住宅会社も出てきました。

しかし、まだ認知度は低いため、打ち合わせの際に提案がないとそのままにしてしまうケースが目立ちます。お風呂場の鏡がいらないと考えている場合は、ご自身から問い合わせてみるのがおすすめです。

後悔しやすい注文住宅の屋外設備7選

注文住宅の窓のあるお風呂場

室内の設備同様に、注文住宅では窓やドアのように外部へ通じる設備も自由に選べます。通気性や断熱性は住み心地にも直結し、失敗してしまうと取り返しのつかない後悔の原因となってしまうので要注意です。時代の変化や住宅の機能性も考慮しながら、設備の必要性を検討しましょう。

バルコニー

バルコニーは、家の2階以上から張り出した屋外スペースです。かつては洗濯物を干す場所として利用されてきたものの、急な雨で濡れるリスクや共働き世帯の増加により人気は薄れつつあります。日中に洗濯物を取り込むのが難しいご家庭では、バルコニーの代わりに室内干しのできるランドリールームの需要が増加しています。

バルコニーの床は防水加工が経年劣化してしまう問題もあり、約10年に1度のペースでメンテナンスが必要です。バルコニーの利用目的や維持費とのバランスを考えて、設置の有無を決めましょう。

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両開き玄関

両開き玄関は、同じサイズのドアを左右対称に2枚取り付けた観音開きの玄関扉です。幅が広く、高級感があり、大きな荷物を運び入れやすいというメリットがあります。

しかし、最近では敷地面積の関係から、両開き玄関ではなく片開き玄関が主流です。注文住宅の外観にこだわってオーダーしたものの、片開き玄関の倍以上の費用がかかって後悔したという声もあります。強いこだわりがない場合は、片開きの玄関にして、反対側のスペースにシューズクロークを作るほうが実用的でおすすめです。

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お風呂の窓

お風呂の窓は、採光や換気のために必要だと考える人も多くいます。しかし、掃除が手間となり、冬は寒さが入ってくるという点がデメリットです。泥棒に狙われやすいという理由もあり、防犯上の観点からお風呂場には窓を付けないという選択肢もあります。

お風呂の窓を付けて後悔している人の中には、「窓の掃除を怠っていたらカビが生えてしまった」といった声が多数あります。湿気がこもる場所なので窓を付けない場合には、換気システムの導入が必要です。注文住宅の24時間換気には性能別の種類があるので、適切なものを採用しましょう。

天窓

天窓は屋根に取り付けられ、部屋を明るくできるだけでなく、室内から空を見上げられる開放感が人気の秘密です。しかし、経年劣化によって防水性能が下がり、雨漏りが起こりやすくなるというデメリットもあります。修理には高額な費用がかかるため、事前に予算を組んでおくと安心です。

また、屋根の勾配や方角によっては、太陽光が入りすぎて部屋が暑くなる可能性もあります。天窓を設置する際は、細かな設計とメンテナンス費用の捻出が欠かせません。

出窓

出窓は部屋を広く見せる効果があり、外観も魅力的に演出してくれると人気の設備でした。しかし、出窓はガラスが両側にあるため、外の気温の影響を受けやすい構造です。断熱性に劣るという欠点があり、省エネ住宅が推奨される現在の家づくりには不向きとされています。

シンプルな外観の注文住宅が人気という流れもあり、出窓を選ぶ人は年々減少傾向です。通常の窓よりも設置費用が高いにもかかわらず、メリットがほとんど感じられないというのが現状です。

断熱性能の低い窓

出窓でなくとも断熱性の低い窓は、室内に外部の気温が伝わりやすいというのが難点です。エアコンの効きが悪くなり、電力消費量が増えて電気代も高くなってしまいます。住宅の断熱性を上げ、窓も高断熱のものを選ぶと光熱費は削減可能です。

初期費用は高いものの、メーカーの量産により価格は下がりつつあります。また、2025年からは省エネ基準に適合していないと住宅は新築できなくなるため、長期的に考えても断熱性の低い窓は後悔の元となるでしょう。
(参考:国土交通省「省エネ基準適合義務化」)

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注文住宅の設備選びで後悔しないためのポイント

夫婦に注文住宅の説明をする男性

注文住宅の設備はいくつかのポイントを抑えて選ぶと後悔しません。家づくりは選択の連続で、ときには判断が難しいと感じるものです。できるだけ迷わないよう、事前に成功させるための方法を理解しておきましょう。

要望を整理して情報を集める

注文住宅の設備を選ぶにあたって、最初に利用可能な設備やオプションを詳細に調査しておく必要があります。情報を集める過程で、さまざまな選択肢が見えてくるためです。また、家族全員の要望をリストアップしておくと、入居後のトラブルや喧嘩が減らせます。情報収集が大変に感じる場合は、モデルハウスや住宅展示場に足を運んでみるのもおすすめです。

優先順位を決めて予算内に収める

家づくりでよくある失敗として、オプションを追加しているうちに予算を超えてしまうケースがあります。注文住宅は自由度が高い分、意識しておかないとあっという間に予算を超えてしまうのが課題です。予算内に収めるためには、具体的な金額を明確にし、設備内容や個数を調整しましょう。どうしても予算オーバーしそうなときは、優先順位の上位から選ぶようにすると後悔しません。

本当に必要かどうかを見極める

最新の設備は便利に見えるものの、実際に活用できるかは別の問題です。単に「人気があるから」や「最新モデルだから」という理由で選ぶのではなく、ご自身の生活での利便性や必要性を見極めましょう。ライフスタイルや家族のニーズに合った設備を選ぶためには、新居での生活を具体的に想像するのがポイントです。お子さんが小さい場合は、数年後の生活を思い描いておくと後悔が減ります。

専門家のアドバイスを活用する

注文住宅の設備選びに迷ったら、第三者に意見を求めるのも1つの手段です。ハウスメーカーや工務店の担当者に相談すると、間取りや内装なども含めた総合的なアドバイスをもらえます。専門家の視点で考えてくれるので、自分では思いつかないアイデアに出会えるかもしれません。ただし、必ずしもプロの意見をそのまま受け入れる必要はなく、最終決定はご自身で行うのが大切です。

まとめ

注文住宅の設備選びは後悔の原因にもなるため、慎重な検討が欠かせません。最新の設備には魅力があるものの、活用しきれない可能性も十分考えられます。省エネ住宅が求められるようになったように、時代と共に需要は変化していくのも忘れてはならないポイントです。住宅会社や工務店の担当者に相談し、専門家の知識や情報を頼りに後悔のない設備選びをしましょう。

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