注文住宅の窓選びで後悔しない!ガラスとサッシの種類や選び方のポイントをわかりやすく紹介
注文住宅では、つい間取りやデザインに注目しがちですが、窓も快適さ・省エネ・防犯性に関わる大切なポイントです。
この記事では、失敗しない窓選びのために、次の4つの視点からわかりやすく解説します。
- ガラスの種類
- サッシの材質
- 開け方
- 防犯
快適で安心な住まいを実現するために、ぜひ参考にしてください。
注文住宅の窓選びで後悔しないための基本ガイド
注文住宅の家づくりでは間取りや内装にこだわる一方、窓選びをなんとなく決めてしまうケースも少なくありません。
窓は快適さや省エネ性能、防犯性に大きな影響を与える重要な要素で、選び方を誤ると後悔につながります。
ここでは、注文住宅の窓選びで失敗しないために押さえておきたい基本ポイントをわかりやすく紹介します。
快適な注文住宅を叶える窓の重要な役割とは
窓を選ぶときは採光だけでなく、室内の温度・湿度や風通しへの影響にも目を向けることが大切です。
たとえば断熱性能の高い窓を選べば、夏の暑さや冬の寒さを緩和でき、冷暖房費の節約にもつながります。
逆に、断熱性の低い窓だと冷暖房効率が悪くなり、快適さを損なう原因です。
窓は家全体の快適性を左右する、非常に重要な存在といえるでしょう。
注文住宅の窓選びで後悔しないための失敗例と対策
注文住宅の窓選びでよくある失敗には、「大きな窓を多くつけたら夏に部屋が暑くなった」「防犯を考えず、低い位置に窓をつけてしまった」といった声があります。
見た目だけで窓を選んだ結果、住み始めてから不便さや不安を感じるケースも少なくありません。
窓を選ぶ際は、デザインだけでなく、機能性や安全性まで総合的に考えることが重要です。
窓以外の間取り全体で後悔しないための工夫については、『間取りを自由に選べる注文住宅で後悔しないポイントと7つの具体例を徹底解説』も参考になります。
注文住宅と省エネ基準|なぜ窓性能が重要なのか
これからの家づくりでは、省エネ性能や防犯性の高さがますます求められます。
2025年からは住宅の省エネ基準が義務化され、注文住宅の窓選びでも断熱性能はこれまで以上に重視されるポイントです。
高性能な窓を選ぶことは、快適な暮らしを実現するだけでなく、将来の光熱費負担を減らし、家の資産価値を守ることにもつながります。
長く住み続ける家だからこそ、窓選びにも丁寧に向き合いましょう。
(参考:国土交通省「家選びの基準変わります」 )
注文住宅に適したガラスの種類と選び方のポイント
注文住宅の窓選びで失敗しないためには、ガラスの種類に注目することが大切です。
ガラスの性能は、断熱性や冷暖房効率、室内の快適さに直結するため、選び方を間違えると後悔につながります。
また、最近は省エネ基準の強化により、高性能なガラスを採用する家づくりが主流です。
ここでは、注文住宅の窓選びに役立つ代表的なガラスの種類と特徴を紹介します。
ペアガラスの特徴と導入に向く注文住宅の条件
注文住宅の窓選びでは、ガラスの性能についての理解も欠かせません。
ペアガラスは、2枚のガラスの間に中空層を設けた構造で、単板ガラスに比べて断熱性が大幅に向上します。
夏の暑さや冬の寒さを緩和でき、結露も発生しにくくなるのがメリットです。
比較的手頃な価格でコストパフォーマンスにも優れており、多くの住宅会社で標準仕様として採用されています。
ただし、寒冷地や高気密・高断熱住宅を目指す場合は、より性能の高いガラスの検討がおすすめです。
トリプルガラスの長所・短所と注文住宅での活用
注文住宅におすすめの窓として、トリプルガラスも注目されています。
3枚のガラスと2つの中空層によって、ペアガラスを上回る断熱性と遮熱性を発揮し、冷暖房の効率が上がって光熱費の節約にもつながるためです。
さらに防音効果も期待でき、交通量の多い道路沿いの住宅にも適しています。
価格が高く、サッシが重くなるといったデメリットはあるものの、性能の向上とコストの低下が進んでおり、長い目で見れば十分に検討する価値のある窓といえるでしょう。
Low-Eガラスとアルゴンガスで断熱性を高める方法
断熱性能を高めるには「Low-Eガラス」と「アルゴンガス」が重要なポイントです。
Low-Eガラスは、熱や紫外線をカットして冷暖房効率を高める効果があり、遮熱タイプと断熱タイプの2種類が用意されています。
マイホームを建てる地域や窓の向きに応じて、適したタイプを選びましょう。
また、アルゴンガスは中空層に封入されることで、空気よりも熱を伝えにくく、断熱効果をさらに高めます。
Low-Eガラスとアルゴンガスを組み合わせた窓は、省エネ性にも快適性にも優れた効果を発揮します。
注文住宅で失敗しないサッシ選び|素材別の特徴と比較
注文住宅の窓選びでは、ガラスだけでなくサッシ枠の材質にも注意が必要です。
サッシは外気温の影響を遮断し、室内の快適性を左右する重要な部分となります。
住宅用サッシには「アルミサッシ」「アルミ樹脂複合サッシ」「フル樹脂サッシ」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
ここでは、注文住宅の窓選びに役立つサッシ材質のポイントをわかりやすく紹介しましょう。
アルミサッシの特徴と注文住宅への適性
注文住宅では窓だけでなく、サッシの材質選びも欠かせないポイントです。
軽量で耐久性に優れ、コストを抑えられるアルミサッシは、これまで多くの住宅で採用されてきました。
しかし、アルミは熱を伝えやすいため断熱性に乏しく、冬場は結露が発生しやすくなり、カビやダニの原因にもなりかねません。
省エネ性能が重視される現在の家づくりでは、アルミサッシ単体では性能面で物足りないと感じるケースが増えています。
アルミ樹脂複合サッシの特徴と選び方のコツ
アルミ樹脂複合サッシは、屋外側に耐久性の高いアルミ、室内側に断熱性に優れた樹脂を使用したハイブリッド構造で、両方のメリットを兼ね備えています。
外気の影響を受けにくく、結露を抑えられるのも大きな特長です。
ただし、製品ごとに性能差があり、快適性や光熱費にも関わるため、選ぶ際は「熱貫流率(U値)」などの数値を確認しておきましょう。
フル樹脂サッシのメリット・デメリットと選び方
注文住宅の窓選びで断熱性能を重視するなら、フル樹脂サッシの採用をおすすめします。
枠全体が樹脂でできており、外気の影響を受けにくく、室内の温もりを保ちやすいのが特長です。結露も起きにくく、清潔な室内環境を維持しやすいというメリットもあります。
ただし、アルミより強度が弱く、枠が太くなるため、見た目が気になる人もいるかもしれません。
紫外線による色あせや劣化の心配もあるので、置く場所やメンテナンスのしやすさも考えて選ぶことが大切です。
注文住宅に最適な窓の開閉スタイルを徹底比較
注文住宅の窓選びでは、ガラスやサッシだけでなく、開閉方法にも注意が必要です。
選ぶタイプによって、換気のしやすさや掃除の手間、室内の快適性に大きな違いが出ます。
間取りや目的に合わせて適切な開閉方法を選ぶことが、暮らしやすさを大きく向上させるポイントです。
ここでは、引違い窓・滑り出し窓・フィックス窓の特徴と活用ポイントをわかりやすく紹介します。
引違い窓の特徴と設置の注意点
注文住宅では、引違い窓も根強い人気のある定番スタイルのひとつです。
引違い窓は左右にスライドして開閉でき、掃き出し窓から小窓までさまざまなサイズに対応可能です。
窓を開けても外に張り出さないため、バルコニーや庭との行き来がしやすいという利点もあります。
構造上、窓全体の半分しか開かないため、換気効率はやや劣ります。
レール部分にホコリがたまりやすく、こまめな掃除が必要になる点にも注意が必要です。
滑り出し窓の種類別特徴と活用シーン
引違い窓の他に、滑り出し窓も検討したい選択肢のひとつです。
縦滑り出し窓は風の流れを捉えやすく、効率的な換気ができます。
横滑り出し窓は、開けた際にガラスがひさしのような役割を果たし、多少の雨でも窓を開けたまま換気できるのが特長です。
どちらのタイプも密閉性が高く、騒音やホコリの侵入を防げるメリットがあります。
開放時は風圧を受けやすいため、強風の日は早めに閉めるなど、状況に応じて使い方に注意しましょう。
FIX窓の魅力と注意したい設置ポイント
最近では、注文住宅にFIX窓(フィックス窓)を採用するケースも増えています。
開閉できない固定式の窓で、外気や騒音を遮りやすく、冷暖房効率の向上や高いデザイン性が魅力です。
換気には使えず、外側の掃除がしにくいため、設置場所は慎重に検討しましょう。
2階以上の高所に設置する場合は、汚れが目立ちにくい半透明ガラスを選ぶなどの工夫もおすすめです。
防犯性を高める注文住宅の窓選びと実践ポイント
注文住宅の窓選びでは、快適性やデザインだけでなく、防犯性にも注意が必要です。
侵入窃盗の多くはドアではなく窓から発生しており、窓の選び方によって家の安全性は大きく変わります。
ここでは、防犯性を高めるために押さえておきたい注文住宅の窓選びのポイントをわかりやすく紹介しましょう。
高窓の防犯効果と間取りに応じた工夫
注文住宅では、高窓を選択肢のひとつとして検討する価値があります。
壁の高い位置に設置されるため、外から手が届きにくく、防犯性に優れているのが特長です。
採光や換気にも効果があり、トイレや洗面所など、外からの視線が気になる場所にも適しています。
一方で、外の景色を楽しめなかったり、掃除がしにくかったりする点はデメリットです。
居室では腰窓と組み合わせるなど、間取りに応じた工夫が必要となるでしょう。
窓の数を最適化して防犯性を高める工夫
最近では、防犯性や省エネ性を重視して「窓の数を絞る」設計が主流になりつつあります。
以前は、明るさを確保するために多くの窓を設けるのが一般的だったものの、窓が多いほど侵入経路が増え、防犯リスクが高まるという課題がありました。
そのため現在は、採光や通風などの目的が明確な場所に限定して窓を設けるスタイルが推奨されています。
必要な場所にだけ窓をつける設計にすると、防犯性だけでなく、コストや断熱性の面でもメリットが得られます。
防犯合わせガラスの特徴と採用すべき窓の位置
注文住宅の窓選びで防犯性を高めたい場合は、防犯合わせガラスの導入もおすすめします。
2枚のガラスの間に強靭な中間膜を挟み込んだ構造で、割れにくく、侵入に時間がかかるため空き巣対策に効果的です。
とくに掃き出し窓や、地面に近く外から手が届きやすい窓に適しています。
多少コストがかかっても、安全性を高めたい方には納得できる選択肢です。
窓の工夫に加え、防犯性を高める間取りや設備選びのいついては『家の防犯対策7選!泥棒が嫌がる家の特徴と安心して暮らせる空き巣対策のポイントを徹底解説』をご覧ください。
窓の断熱性能で冷暖房費を抑える注文住宅の工夫
注文住宅の窓選びでは、「窓の断熱性能と冷暖房費の関係」にも注意が必要です。
家全体の断熱性能が高くても、窓の性能が低いと外気の影響を受けやすく、冷暖房の効きが悪くなります。
快適な暮らしと家計の負担軽減につながる家づくりは、窓の断熱性能を十分に意識しましょう。
窓性能が省エネ基準に与える影響とは
住宅を新築する際は、省エネ基準への対応がこれまで以上に重要です。
2025年以降、新築住宅は省エネ基準に適合し、断熱性やエネルギー効率が一定の基準を満たすことが義務づけられます。
とくに、ZEH(ゼッチ)のような住宅では、高性能な窓の採用が欠かせないポイントです。
窓の断熱性能が十分でないと、壁や床など他の部分をどれだけ強化しても、基準を満たせない可能性があります。
これからの家づくりでは、「窓の性能」を中心に考える時代になっていくでしょう。
窓の断熱性能と冷暖房費の関係を試算で解説
断熱性能の違いが冷暖房費にどれほど影響するのか、LIXILの試算データをもとに見てみましょう。
たとえば、トリプルガラスと従来のアルミ窓を比較した場合、35年間で削減できる金額は以下の通りです。
- 札幌:約80万円
- 金沢:約65万円
- 大阪:約40万円
寒冷地ではもちろん、比較的温暖な地域でも、長期的に見ると大きな節約効果があります。
建築時に多少コストがかっても、窓の断熱性能に投資すると、長期的には十分元が取れるでしょう。
(参考:LIXIL「TW・TW防火戸商品カタログ」 )
初期費用と光熱費を考えた窓選びのポイント
断熱性能の低い窓を選べば、初期費用は抑えられます。
ただし、光熱費がかさみやすく、出費が増えてしまう場合もあるでしょう。
高性能な窓を採用すれば、冷暖房費を抑えられ、家計にやさしい暮らしにつながります。
建築費だけでなく、暮らし始めてからの光熱費まで考えた窓選びが重要です。
窓だけでなく設備全体の選び方に迷っている方は、『注文住宅で失敗しない!おすすめ設備6選と後悔しない選び方のコツをわかりやすく解説』も参考になります。
【まとめ】注文住宅の窓選びで失敗しないためのポイント
窓は、注文住宅の快適性や省エネ性、防犯性に大きく関わる重要な要素です。
断熱性や窓の開閉方法、防犯の工夫まで考えると、長い間快適に暮らせる家となります。
これから家づくりを始める方は窓選びにも時間をかけ、家族にとって快適な住まいを目指しましょう。