家の防犯対策7選!泥棒が嫌がる家の特徴と安心して暮らせる空き巣対策のポイントを徹底解説
防犯対策がされた家で安心してくつろぐ家族

家づくりコラム

家の防犯対策7選!泥棒が嫌がる家の特徴と安心して暮らせる空き巣対策のポイントを徹底解説

防犯対策がされた家で安心してくつろぐ家族

近年、空き巣被害は再び増加傾向にあり、とくに一戸建て住宅が狙われやすくなっています。泥棒は侵入しやすい家を事前に下見し、死角が多い家や留守がわかる家を選んで狙うのが特徴です。この記事では、泥棒が嫌がる家の特徴や、すぐに取り入れられる防犯対策を7つ紹介します。安全な家づくりを目指す方は、最後までお読みください。

家の防犯対策を始める前に空き巣被害の現状を把握しよう

留守の家に侵入する空き巣のイメージ

空き巣の手口は年々巧妙化しており、最新の防犯対策が求められます。とくに一戸建ての防犯対策としては、家の構造や周辺環境に応じた対策が重要です。まずは現状を把握し、侵入経路として狙われやすい玄関・勝手口・窓の防犯強化を検討しましょう。

空き巣の現状と侵入方法

警視庁によると、令和5年には1万7,469件の住宅侵入窃盗が発生しました。前年より11.3%も多くなり、1日に約48件の住宅が泥棒に入られている計算となります。一戸建て住宅の被害が最も多く、全体の30.5%を占めています。最近では、宅配業者を装ったり、窓ガラスを割って家に押し入ったりする悪質な手口の強盗事件が続けて起きている点にも注意が必要です。ご自身や家族の安全、大切な財産を守るために、侵入犯罪の現状を知っておきましょう。

(出典:警察庁「侵入窃盗の発生場所別認知件数」)

空き巣が入りやすい時間帯

空き巣は、家の住人が仕事や学校でいない時間を狙うのが一般的です。午前10時から午後2時ごろは留守にする家庭が多く、狙われやすい時間帯ともいえるでしょう。空き巣は犯行前に家の様子を下見することがほとんどです。下見の際は、「家の人が留守か」「侵入しやすい家か」「逃げやすい場所か」に注目します。

侵入窃盗は空き巣だけではない

空き巣以外にも、忍び込みや居空きといった手口があります。どちらも家の中に侵入される点は共通していますが、空き巣とは異なり、住人が在宅中に狙われるというのが特徴です。

忍び込みとは

住人が寝てる間に、家に侵入して金品を盗む方法です。とくに夏の夜に窓を開けたまま寝ていると狙われやすくなるため、窓やドアの戸締りを強化して対策しましょう。

居空きとは

住人が起きている時に侵入してくる手口です。たとえば、家族が食事をしている時、お風呂に入っている時に入ってきます。居空きは忍び込みより少ないものの、泥棒と鉢合わせしてしまうと強盗事件に発展する可能性もあるため非常に危険です。

空き巣が狙いやすい家の特徴

空き巣被害を防ぐためには、泥棒が狙う家の特徴を知り、適切なセキュリティ対策を行います。たとえば、以下のような家は空き巣にとって好条件な物件です。

このように、空き巣は「入りやすい家」を慎重に選びだします。では、どうすれば空き巣に狙われにくい家にできるのでしょうか?

実は、泥棒が避ける家にはいくつかの共通した特徴があります。次からは、泥棒が避ける家の条件を7つ紹介します。家づくりに取り入れれば、空き巣に狙われるリスクを減らすことが可能です。

泥棒が嫌がる家のポイント1:家の周りに死角がない

死角がないオープン外構の家

泥棒は人目を避けて侵入を試みるため、家の周囲に隠れられる場所をなくすことが非常に重要です。たとえば、すべての窓が隣の家や道路からよく見える家なら、泥棒は「ここは見つかりそうだからやめよう」と警戒します。

具体的な対策方法

家の周りを高い塀で囲むのではなく、低めの塀にしたり、必要な部分だけに設置したりする「オープン外構」がおすすめです。家の周りが見えやすくなり、泥棒が隠れにくくなります。

隣家との距離や建物の配置によっては、窓の周囲にどうしても死角が生じる場合もあります。死角になりやすい窓があれば、近くにセンサーライトや防犯カメラを設置し、泥棒が近づきにくい環境を作りましょう。

「塀を低くすると家の中が見えてしまわないか心配」という方は、大きな窓や洗濯物を干す場所のように人目が気になる部分に柵や植木で目隠しをすると安心です。たとえば、お子さんが庭で遊ぶためにプールを設置したい場合、ウッドフェンスを取り入れてプライバシーを守りながらおしゃれな空間に仕上げる方法もあります。

家の周辺から死角をなくすと、防犯効果が一気に高まり安心です。手軽にできる対策から取り入れて、安全な住まいを目指しましょう。

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泥棒が避ける家のポイント2:人がいるように見える

照明を自動で点灯させている家の窓辺

泥棒は、人がいる家を避ける傾向があります。誰もいない家は狙われやすいため、留守でも人がいるように見せる工夫が大切です。とくに効果的な方法として、3つの対策を紹介しましょう。

1.照明を自動で点灯させる

タイマー照明とは、あらかじめ決めた時間になると、自動で電気をつけたり消したりできる照明です。家を留守にしていても、夕方になると自動的に明かりがつくので、人がいるように見せられます。価格は約1万5千円~2万円で、普通の照明より少し高いというのが特徴です。しかし、防犯効果は非常に高く、設置する価値は十分あります。

2.洗濯物を外から見えない場所に干す

仕事や学校で帰宅が遅く、洗濯物を夜までベランダに干しっぱなしにしていると「家に誰もいない」と泥棒に気づかれる原因です。洗濯物は外から見えない場所に干すようにすると、防犯効果が一気に高まります。たとえば、ランドリールームを間取りに加えると、プライバシーを守りながら快適に洗濯物を干せて便利です。

3.宅配ボックスで荷物を隠す

ネット通販を利用している人が増え、「置き配」を利用するご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、玄関の前に荷物が長時間置かれていると、留守だとわかってしまうのが問題です。宅配ボックスを設置すれば、届いた荷物を隠せるので安心です。ボルトで固定するタイプだと設置費用込みで8万円程度かかるものの、再配達の手間を省けるだけでなく、荷物の盗難防止にも役立ちます。

泥棒が嫌がる家のポイント3:防犯カメラがある

家の壁に設置された防犯カメラ

泥棒は人に見つかるのを嫌がるため、防犯カメラが設置されている家と設置されていない家があったら、カメラがない家を選ぶでしょう。防犯カメラをあえて目立つ場所に設置すると、泥棒に「この家は対策されている」と思わせて侵入を防げます。

防犯カメラを目立たせずに設置する方法

防犯カメラは、玄関や駐車場のような目立つ場所に設置するのが効果的です。しかし、「目立つ場所にカメラをつけると、家のデザインが悪くなりそう」と心配な方もいるでしょう。外観を損ねたくない場合は、シンプルで目立ちすぎないデザインのカメラを選ぶのがおすすめです。

また、「防犯カメラを多くつけると、お金持ちだと思われそう」と感じるかもしれません。いくつも設置したくないという場合は、玄関や駐車場のように目立つ場所に限定して設置しましょう。たとえば、玄関が道路に面している家なら、玄関の上に防犯カメラを設置するだけでターゲットから外す可能性が高くなります。

防犯カメラの設置費用

防犯カメラの設置費用は、カメラの種類や設置場所によって異なります。防犯カメラを設置する人が増え、価格は以前より低下傾向です。一戸建て住宅であれば、工事費込みで10万円〜15万円が相場となっています。防犯カメラは家の外から見える対策として非常に効果的なので、泥棒に狙われにくい家づくりを目指す方にはおすすめです。

泥棒が嫌がる家のポイント4:窓の位置が高くて侵入しにくい

窓の位置が高い家

警察庁の調査によると、泥棒の侵入経路で最も多いのは「窓」であり、一戸建て住宅では令和5年に全体の約55%を占めています。つまり、窓の防犯対策を強化することで、被害の大幅な抑制が可能です。

(出典:警察庁「手口で見る侵入犯罪の脅威」)

侵入されにくい窓の選び方

防犯を気にする方におすすめなのが、壁面の高い位置に取り付けられた「高窓」です。高窓のメリットは、主に以下の通りです。

高窓の他には、スリット窓(細長い縦型の窓)も防犯に向いています。人が通れない幅に設計されているため、泥棒が侵入を諦める可能性が高くなるためです。

勝手口の見直しも大切

最近では、注文住宅に勝手口が必要かどうか迷われる方が増えています。勝手口は外から見えにくい場所に配置することが多く、泥棒から狙われやすい窓のひとつです。勝手口の設置を検討する前に、ゴミ出しや荷物の出し入れに必要かどうかを検討しましょう。使用しなくても生活に支障がないようであれば、勝手口を設置しないという選択肢もあります。

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泥棒が嫌がる家のポイント5:窓の近くに足場になるものがない

窓の近くにある室外機

窓の位置を高くしても、近くに足場となるものがあると意味がありません。泥棒は足場があれば、簡単に家の中に侵入可能です。たとえば、エアコンの室外機が窓の下にあると、泥棒にとっては絶好の侵入経路となってしまいます。他にも、以下のようなものが泥棒の足場になるので注意しましょう。

これらのものを窓の近くに置かないようにするだけで、泥棒は侵入を諦める可能性が高くなります。

どれくらいの高さなら安全?

地面から窓までの高さが180cm~2mくらいなら、泥棒がよじ登って侵入できるとされています。防犯を考えた家づくりには、次の対策が重要です。

注文住宅なら、防犯と快適性を兼ね備えた設計ができます。ハウスメーカーや工務店との打合せの際は、泥棒対策についても相談してみるのがおすすめです。

泥棒が嫌がる家のポイント6:庭がキレイに手入れされている

家の庭を手入れする女性

庭がしっかり手入れされている家は、「この家の住人はしっかりしている」という印象を泥棒に抱かせます。「出かける時も忘れずに施錠していそう」と思われやすく、防犯にも効果的です。

庭が荒れていると危険な理由

庭の雑草が伸び放題だったり、物が散らかったりしている家は「防犯対策が甘いかもしれない」「窓の鍵が開いているだろう」と泥棒に思われやすくなります。また、庭の植木が伸びすぎていると、泥棒が隠れやすい環境です。さらに、植木鉢や道具が散らかっていると、足場にして窓から侵入する可能性もあります。

庭の手入れが難しい時は?

仕事や育児が忙しく、「庭をキレイにするのは大変」と感じる方も多いでしょう。ハウスキーパーを頼むと高額になる場合は、地域のシルバー人材センターにお願いする方法もあります。定期的に雑草取りや剪定をしてもらえ、費用は1回1万円ほどで済みます。庭がスッキリすると防犯効果が高まるだけでなく、気持ちよく過ごせるようになって快適です。ご自身での手入れが難しい場合は、あらかじめ外注先を検討しておきましょう。

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泥棒が嫌がる家のポイント7:犬を飼っている

窓越しに家の外を見る犬

「犬を飼っている家は泥棒に狙われにくい」という話を聞いたことはありませんか。警察庁によると、泥棒が侵入を諦める理由の上位3つは以下の通りです。

  1. 近所の人からの声かけ
  2. 窓に補助錠が設置されていた
  3. 犬が飼われていた

(出典:警察庁「侵入者プロファイリング<心理と行動-3>」)

「防犯カメラがあった」という理由は4位なので、犬がいる家のほうが泥棒にとって厄介だとわかります。

室内犬でも効果はある

防犯には外で飼っている犬しか役に立たないと考えるかもしれません。しかし、室内犬のほうが防犯に効果的だったというケースもあります。泥棒が室内犬を嫌がる主な理由は、次の2点です。

犬がいることをアピールする

泥棒は下見をしてから侵入する家を決めるため、外から犬の存在がわかるように工夫しましょう。たとえば、家の外から見える場所に犬用のケージを置いたり、犬の存在がわかるグッズを玄関周りに置いたりします。防犯カメラと同様に、泥棒が侵入リストから外したくなるように意識することが重要です。

まとめ

空き巣被害は増加傾向にあり、とくに一戸建て住宅が狙われています。泥棒は侵入しやすい家を事前に下見し、死角の多さや住人の不在状況を確認してから犯行に及ぶケースがほとんどです。家の防犯対策を強化するには、空き巣が避けたくなる環境を整える必要があります。最新の防犯グッズや防犯設備を取り入れて、安心できる家づくりを目指しましょう。

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