【2023年】新築住宅に太陽光発電や蓄電池の補助金はもらえる?金額や申請過程を解説
太陽光発電補助金のイメージ

家づくりコラム

【2023年】新築住宅に太陽光発電や蓄電池の補助金はもらえる?金額や申請過程を解説

太陽光発電補助金のイメージ

新築住宅に太陽光発電システムを検討している方は、国や自治体の補助金制度を利用すると経済的な負担が減ります。とくに注文住宅の場合、家の性能によって給付金額が変わる場合もあるので注意が必要です。

今回は、太陽光発電システムを導入したいけれど初期費用の捻出に悩んでいる方に向けて、2023年現在の給付金制度や申請条件、金額について詳しく紹介します。給付金に関する情報は日々変更されるため、ぜひ最新版でご確認ください。

2023年の太陽光発電補助金制度について

太陽光発電パネルを持つ女性

2023年9月現在、新築住宅に太陽光発電システムを設置しただけでは国から補助金は給付されません。国が推奨していた太陽光発電システムの普及が広がり、初期費用が値下がりした結果でもあります。

最近は蓄電システムに対しての支援が進んでおり、太陽光発電システムと蓄電池をセットで導入した場合に助成金が支給される制度は増加傾向です。

補助金と聞くと国からの給付をイメージされるかもしれませんが、自治体単位で独自の制度を設けているケースも見受けられます。上手に活用すれば、国と自治体の補助金制度を併用できるため、新築住宅の建築費が大幅に節約可能です。

補助金制度に関しての情報は国だけでなく、お住いの地域の情報を手に入れておきましょう。国や自治体のホームページやハウスメーカーの担当者を通せば、常に最新情報を入手できます。

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兵庫県の太陽光発電補助金制度

兵庫県では住宅におけるエネルギー利用の効率化を目指し、省エネ設備の設置を奨励しています。新築だけでなく、既存の住宅も対象となるケースが含まれるのも特徴です。兵庫県内で住宅用太陽光発電に対して補助金制度を設けている市町村は以下の通りです。

実施市町制度名称
・神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・宝塚市・川西市・三田市・猪名川町・明石市太陽光発電及び蓄電池設備の共同購入事業
尼崎市尼崎市ZEH普及促進事業
芦屋市ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)普及促進補助事業
芦屋市芦屋市住宅用太陽光発電システム・蓄電システム・V2H充放電設備設置費補助
宝塚市宝塚市2030年カーボンハーフ・2050年ゼロカーボン推進事業
明石市明石市家庭用脱炭素化設備等導入支援事業
高砂市高砂市家庭用蓄電池システム等設置補助金
稲美町稲美町住宅用太陽光発電システム設置費補助金交付制度
播磨町播磨町住宅用太陽光発電システム設置費補助金
西脇市西脇市家庭用創エネ省エネ設備等導入促進事業
加東市加東市エコハウス設備設置補助金
福崎町福崎町産業活性化緊急支援事業
豊岡市豊岡市太陽光発電システム設置補助金(住宅用)
新温泉町新温泉町再生可能エネルギー導入促進補助事業
丹波篠山市丹波篠山市スマートエネルギー導入補助金
(出典:兵庫県「県内市町の再生可能エネルギー等導入に関する支援制度(補助金等)」)

上記はあくまでも太陽光発電システムに対しての補助金です。たとえば、姫路市では太陽光発電システムでの補助金制度は設けていませんが、蓄電池システムに関しての補助金制度は2種類用意しています。

高効率給湯器や省エネ設備(LED等)に対しての補助金を用意している自治体もあるので、注文住宅を設計する際は確認してみましょう。

(参考:兵庫県「県内市町の再生可能エネルギー等導入に関する支援制度(補助金等)」)

国の補助金を利用できる住宅の条件

家庭用蓄電池のイメージ

2023年現在、省エネハウスの建設に関しては国の補助金制度が設けられています。補助額も大きく、注文住宅を新築する方にとっては絶好のチャンスです。対象となる省エネ住宅の条件はいくつかあり、給付金額にも影響を及ぼします。それぞれの住宅ごとの給付内容について紹介しましょう。

ZEH(ゼッチ)支援事業

ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称です。家庭でのエネルギー収支をゼロ以下にするのを目標とし、太陽光発電や省エネ設備、高断熱の外壁などを組み合わせた家を指します。

ZEH支援事業は、ZEHを新築または購入するにあたって、国が指定する特定の条件を満たすと申請できる補助金制度です。寒冷地や低日射地域、多雪地域にある「Nearly ZEH」や、都市部の狭小地かつ多雪地域にある2階建て以上の「ZEH Oriented」にも適用されます。

より省エネ性能が高い「ZEH+」「Nearly ZEH+」にいたっては、より多額の補助金が支給されます。

ZEHZEH+
申請対象者・新築住宅を建築・購入する個人
・新築住宅の販売者となる法人
・新築住宅を建築・購入する個人
・新築住宅の販売者となる法人
対象となる住宅・ZEH
・Nearly ZEH 
・ZEH Oriented
・ZEH+
・Nearly ZEH+ 
交付要件の主なポイント①戸建住宅におけるZEHの定義を満たしていること
②SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)に登録されているZEHビルダーかプランナーが関与する住宅である
①ZEHの定義を満たした上で、以下の条件を満たすこと
・更なる省エネルギーの実現
・再生可能エネルギーの自家消費を拡大する措置が2つ以上導入されている 
②SIIに登録されているZEHビルダーかプランナーが関与する住宅である
補助額55万円/戸100万円/戸
(出典:2023年の経済産業省と環境省のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金について

次世代ZEH+実証事業

次世代ZEH+とは、ZEH+の条件に加えて、V2H充放電設備(分電盤とクルマをつなぐ機械)や、燃料電池(水素を燃料として電気を発生させる装置)などを導入した住宅です。新築住宅の省エネルギー化と再生可能エネルギーの自家消費量のさらなる向上を目指しています。

次世代ZEH+実証事業では基本の補助金を100万円とし、対象システムを導入すれば補助額が増えるのも特徴です。太陽光発電システムの導入も条件となっているため、注文住宅を検討中の方にとっては魅力的な制度といえるでしょう。

申請対象者・新築住宅を建築・購入する個人
対象となる住宅・ZEH+
・Nearly ZEH+ 
交付要件の主なポイントZEH+の要件を満たした上で、以下のいずれか1つ以上を導入すること
1.蓄電システム
2.V2H充電設備(充放電設備)
3.燃料電池
4.太陽熱利用温水システム
5.太陽光発電システム10kW以上
補助額100万円/戸 
(出典:2023年の経済産業省と環境省のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金について

次世代HEMS(ヘムス)実証事業

HEMSとは、Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略称です。家庭内の電力使用量をモニターしながら管理でき、エネルギーの流れを自宅で把握できます。

次世代HEMS実証事業では、ZEH+の基準を満たした家にHEMSシステムを導入すると適用されます。基本の補助額が112万円と高額な上、導入設備によっては支給額が上乗せされるのがポイントです。

オール電化住宅と相性がいい制度で、AIを活用した省エネ住宅をご希望の方におすすめします。

申請対象者・新築住宅を建築する個人
対象となる住宅・ZEH+
・Nearly ZEH+ 
交付要件の主なポイント①ZEH+の要件を満たした上で、高度エネルギーマネジメントを選択し、蓄電システムまたはV2H充電設備を導入すること
②燃料電池や太陽熱利用温水システムの設備を導入することも可能
③太陽光発電システムを使って自家消費量を増やすため、AI・IoT技術を使った最適制御が備わっていること
補助額112万円/戸
(出典:2023年の経済産業省と環境省のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金について

2023年の蓄電池補助金制度

家庭用蓄電池のイメージ

蓄電池に対する国からの支援が盛んになっているとお伝えした通り、2023年には3つの補助金制度が用意されています。ただし、3つの補助金は併用できないため、1つに絞って申請しなければなりません。それぞれの制度について解説しますので、蓄電池設置の参考にしましょう。

こどもエコすまい支援事業

若い夫婦や子育て世帯が省エネ住宅に住むのを助けるための制度で、省エネ住宅の新築や断熱工事、蓄電池の設置などのリフォーム工事が対象となります。若い夫婦や子育て家庭に限らず、合計30万円までなら誰でも利用できるのも特徴です。

蓄電池設置の補助金額は、1戸あたり64,000円となっています。エコキュートやエコジョーズのような高効率給湯器を同時に導入すると、1戸あたり27,000円増額されます。申し込み期限は2023年12月31日までとなっており、工事前でも申請予約が可能です。ただし、蓄電池は国が認めた事業者から購入する必要があります。予算の上限に達した場合は、期間内であっても受付終了となりますので早めの申請がおすすめです。

こどもエコすまい支援事業公式サイト

電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業(DR補助金)

DR補助金とは、再生可能エネルギーの利用を奨励し、天候不順や停電時でも電源を確保できるよう蓄電池の設置をサポートする制度です。蓄電池の設置を対象に、20億円の予算が組まれています。DR補助金では、蓄電池1台につき最大60万円まで支給されるのが特徴です。

補助金をもらうためには、国が認めた業者から蓄電池を買う必要があります。特定の性能に加えて、蓄電池を遠隔操作で制御できる機能が必須条件です。

蓄電池の性能や購入方法によって助成金額は異なり、第三者からのリースよりも自費で購入したほうが金額は高くなります。補助金の申し込みは2023年12月22日までとなっていますが、予算がなくなり次第受付は終了予定です。

執行団体「一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)」の公式サイト

蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業(DER補助金)

DER補助金とは、電力供給の安定を目標に、蓄電池のようにエネルギーを分散的に活用できる技術を支援するための制度です。蓄電池1台につきもらえる金額は最大60万円となっています。

DER補助金はDR補助金と似た名前ですが、目的が異なるので注意しましょう。DR補助金は、電力消費のピークを緩和するための支援です。DER補助金は、電力供給の効率向上と電力網の安定を支援します。

補助金の申し込み期限はDR補助金と同様の2023年12月22日までとなっていますが、申請条件等は異なるので注意しましょう。

執行団体「一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)」の公式サイト

太陽光発電の補助金申請

補助金申請をする夫婦

新築住宅に太陽光発電システムを導入し、補助金を申請すれば初期費用を大幅に節約できるとお伝えしました。申請には専用の書類が必要となり、給付金の振込までも時間がかかります。

申請から給付までの一連の流れを確認し、必要なタイミングで書類の準備ができるようにしておきましょう。

補助金申請から給付までの流れ

補助金をもらうためには事前申請が必要で、設備の設置後3〜5か月後に支給されるケースがほとんどです。給付までに必要な手続きやスケジュールは制度によって異なるので、一般的な流れを紹介します。

  1. 自治体への申請書類提出:補助金を受けるために、所在地の自治体に必要な申請書類を提出
  2. 受理決定通知の受け取り:提出書類に問題がなければ、自治体から申請が受理された旨の通知が届く
  3. 工事着工:申請が受理された後、太陽光発電システムの設置工事を開始
  4. 工事完了後に報告書提出:設置工事が完了したら、工事完了報告書を自治体に提出
  5. 補助金の支給:工事完了報告書が受理されると、自治体から補助金が支給される

補助金の申請は工事前に行い、完了したら設置業者が報告書を作成するのが主流です。書類に不備があると申請が受け付けてもらえなかったり、給付時期が遅れたりします。確実に受け取るためには、住宅会社や工務店の担当者に相談しましょう。

まとめ

新築住宅に太陽光発電システムの設置を予定している場合、蓄電池や省エネ住宅もあわせて検討しましょう。2023年時点では蓄電池や省エネハウスへの補助金制度が充実し、国や自治体からの援助が受けやすくなっています。

申請には設置業者が作成する書類も必要となるので、住宅会社や工務店の担当者の力を借りながら手続きすると安心です。制度によっては併用も可能なので、最新の情報を入手しながらお得なマイホームづくりを目指しましょう。

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