住宅に必要な地震対策とは?耐震等級や免震工法について解説
住宅に必要な地震対策とは?耐震等級や免震工法について解説

家づくりコラム

住宅に必要な地震対策とは?耐震等級や免震工法について解説

住宅に必要な地震対策とは?耐震等級や免震工法について解説

地震の多い日本では、ここ30年の間だけでも阪神淡路大震災(1995)、新潟県中越地震(2004)、東日本大震災(2011)、熊本地震(2016)など、震度7クラスの大規模地震に幾度も見舞われています。
今後、震度7クラスの大規模地震にいつ遭うとも限りません。

これから住宅の建築を検討しているなら、大切なご家族を地震から守るべく、住宅に地震対策を講じるのは必須と言えるのではないでしょうか。
住宅に高いレベルでの地震対策を備えるためには、地震に対する建物の強度を示す指針「耐震性能」や工法について理解しておかなければなりません。

そこで今回は耐震等級をはじめ、地震に強い工法など住宅に必要なさまざまな地震対策をご紹介します。
最後までお読みいただき、ご自身が検討する住宅建築の地震対策の参考になさってください。

住宅に必要な地震対策とは?

家族を守るシェルターとなる住宅が、地震のときに倒壊してしまっては元も子もありません。
建物が構造体として地震に耐えうる強さを「耐震性能」という概念で表します。

住宅の耐震性能の基準

住宅の耐震性能を規定しているのは「建築基準法」です。ここでは、建築基準法において住宅の耐震性能をどのように規定してきたかを解説します。

建築基準法

日本国内で建築される建物の最低限度の仕様と性能は「建築基準法」で規定されています。その中でも住宅の耐震性能に関しては、幾度もの大地震で住宅などの建物被害が報告されるたびに構造仕様基準の改正が繰り返されてきました。

特に1978年(昭和53年)の宮城県沖地震(M7.4・宮城県仙台市で震度5)では死者16人、住宅の全壊および半壊が約8万戸という甚大な被害を及ぼしました。

それを受けて、1981年(昭和56年)に建築基準法が改正され、主に木造の住宅建築における構造評価である「壁量」や「壁倍率」の考え方が見直され、「偏心率」という建物の構造バランスを評価する数値が取り入れられました。大地震の際には、建物全体として構造壁のバランスを考えて配置しないと、法律規定の強さを確保していても倒壊してしまうという実例を踏まえたものです。

また、耐震性能の評価に「保有水平耐力」という考え方が導入されました。これは「建物が損傷しても倒壊は免れ、シェルターとしての役割は果たす」という考え方です。この考え方が耐震構造設計に取り入れられるようになり、それ以前の建物よりも各段に耐震性能が引き上げられました。

新耐震基準

「新耐震基準」は、構造設計に「偏心率」や「保有水平耐力」の概念が取り入れられた1981年(昭和56年)改正建築基準法が適用された物件がことを指し、同年6月1日以降に建築確認申請を提出し確認済証を受けた物件が該当します。

「新耐震基準」では、極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震力(東京を想定した場合震度6強から7)に対して「倒壊・崩壊しないこと」、稀に(数十年に一度程度)発生する地震力(東京を想定した場合震度5強)に対して「損傷しないこと」を最低限度の構造強度として基準が定められています。

それ以前に建てられた「旧耐震基準」の建物に比べて格段に耐震性能が違うことが、1981年以降の震度7クラスの大規模地震(阪神淡路大震災・新潟県中越地震・東日本大震災・熊本地震等)の建物被害状況から実証されています。

耐震等級とは?

住宅の耐震性能を説明するときには、「耐震等級」という尺度を用いて評価することが一般的になりつつあります。ここでは、この「耐震等級」について説明します。

住宅性能評価制度と「品確法」について

日本国内において、建物の仕様および品質の基準を決めるのは「建築基準法」ですが、これは建物の「最低限度」の仕様および品質の基準を決めるものであり、それを上回る場合の評価尺度が無いことと、法規に特に明記されていないことに関しては施工会社各自の判断に委ねられることが課題でした。

2000年(平成12年)に「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施行され、その大きな柱として「住宅性能表示制度」が設けられました。これは住宅の建物性能を第三者機関が認証するもので、任意の制度になります。

新築住宅の場合10分野32項目に渡り、その中で建物の構造強度に関する性能は「構造の安定」という項目で評価され、その詳細は以下の通りです。

この中の1-1~1-3が大地震に対する性能評価となり、これについて更に詳細に解説していきます。

参考:一般社団法人住宅性能評価・表示協会 地震などに対する強さ(構造の安定)
https://www.hyoukakyoukai.or.jp/seido/shintiku/05-01.html

耐震等級による性能のちがい

建築基準法では、極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震力(東京を想定した場合震度6強から7)に対して「倒壊・崩壊しないこと」、稀に(数十年に一度程度)発生する地震力(東京を想定した場合震度5強)に対して「損傷しないこと」を最低限度の構造強度として基準が定められています。

「品確法」では、これを満たす耐震性能を「耐震等級1」として扱います。
つまり「耐震等級1」は耐震性能が劣るのではなく、建築基準法に照らし合わせて必要十分な性能を備えているということです。

耐震等級は1から3まであり、等級2は1の1.25倍の力に耐えられ、等級3は1の1.5倍に耐えられることを基準としています。
これをまとめると下表のようになります。

耐震等級構造躯体が倒壊・崩壊
しない震度限界(1-1)
構造躯体が損傷
しない震度限界(1-2)
耐震等級1震度6強から7震度5強
耐震等級2等級1の1.25倍の地震力等級1の1.25倍の地震力
耐震等級3等級1の1.5倍の地震力等級1の1.5倍の地震力

※(1-3)で免震建築物であることが確認された場合、耐震等級評価は行わない。

住宅の耐震等級の調べ方

これから建築あるいは購入しようとしている住宅、あるいは現在お住いの住宅の耐震等級の調べ方について説明します。

住宅性能評価書による確認

新築住宅の場合は、購入に当たって特に何も表示が無ければ「耐震等級1」となります。これは、決して住宅の耐震性能が劣っているという訳ではなく、建築基準法適合レベル(震度6強から7で倒壊・崩壊しない)であることを示します。
任意となる「住宅性能表示制度」を利用する場合は、交付される「住宅性能評価書」の「耐震等級」の欄で確認します。

耐震等級2・3の認定を取得するには「住宅性能表示制度」を利用する必要があります。特に木造住宅の場合は、耐震等級3の取得を最優先で考えると、どうしても壁が多くなり間取りの自由度が損なわれるというデメリットが生じ、悩ましいところです。

また、「住宅性能表示制度」を適用するには第三者機関の認証費用も発生します。住宅の間取りの自由度と費用対効果を考え、あえて「耐震等級1」に留める選択肢もあります。

既存住宅においても、建物の現況調査により新築と同様に「住宅性能表示」を適用させることができます。構造に関しては等級0~3まであり、新築と違い「等級0」があることが特徴です。「等級0」は建築基準法の不適合や、腐朽やシロアリ被害で劣化が著しい建物が該当します。

耐震診断による確認

耐震診断による確認

「住宅性能表示」とは別に、「耐震診断」による評価も有効です。「耐震診断」とは、1981年(昭和56年)以前の旧耐震基準の建物を、現行の新耐震基準と照らし合わせ構造の耐震性の検討・評価を行うものです。
都市防災の観点から、旧耐震基準の建物に対しての耐震診断に補助金を支給する制度が、多くの自治体でありますので、物件所在地の自治体にご確認ください。

長期優良住宅法

2009年(平成21年)に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅法)」により「長期優良住宅認定制度」が設けられました。これは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全に関する計画を認定するものです。原則として耐震等級2以上が求められ、かつ木材の湿気による腐朽やシロアリによる食害、コンクリートのひび割れによる鉄筋の腐食等に対して有効な措置が取られていることが求められます。

「長期優良住宅」の認定を受けることにより、耐震性能も保証された安心安全な住宅に、将来に渡って長く居住できることはもちろんですが、各種の税制優遇や住宅ローン控除の増額が受けられるようになるため、検討する価値があるでしょう。

地震に強い家を建てるためのチェックポイント

大地震への備えも万全な、地震に強い家を建てるためにチェックするべきポイントについて解説します。

「偏心率」をチェック

地震によって建物にかかる力は、横方向の揺れ「水平力」です。その水平力に耐えるために「耐力壁」を設け、柱や梁の接合部が横揺れの力で外れて崩壊しないように「接合金物」で耐震補強するのが一般的な木造住宅の耐震設計の考え方です。

耐力壁は、むやみに増やせば良いというものではなく、一部に偏っているとねじれの力が発生し、構造に悪影響を及ぼします。この偏り方を一定の数値以下に抑えるバランスを測るのが「偏心率」の考え方で、建築基準法では「0.15以下」と基準が定められており、この数値が小さいほど耐震性能が良いと言えます。性能評価書で確認するか、工務店やハウスメーカーに問い合わせるようにしましょう。

「地盤」をチェック

建物が大地の上に建つ以上は、その土地の地盤の影響は避けて通れません。まずは物件が立地する土地の歴史と特徴を不動産業者に問い合わせるか、古地図(こちず)等で確認しましょう。古地図は国土交通省などの公式サイト(※)で閲覧できるほか、郷土資料館や博物館、図書館になどに収蔵されている場合もあります。

地盤の強度を決める大きな要素は「その土地が埋立地かどうか」です。埋立地は外部から持ち込んだ土砂でかさ上げをしており、軟弱地盤となりやすい傾向があります。締め固めに適切な工法と十分な期間を取らない場合は、長期に渡りジワジワと沈下していく「圧密沈下」が起こります。平均して下がる分にはまだましも、一部が傾きつつ沈下する「不同沈下」が発生した場合は床の傾きにより日常生活に支障をきたす恐れもあります。

過去の地図で田や河川、あるいは海であった場合は、埋め立てによる造成が行われており、かつ周囲より標高が低い低湿地である可能性が高いことになります。高台や山間部であっても、谷や裾野を埋め立てて盛り土造成している場合もありますので確認は必要です。

建物の直下地盤の強度や地下水位を調べるためには「地盤(地質)調査」を行います。住宅において一般的に行われる調査手法は「SS(スウェーデン式サウンディング)調査」です。これは、ドリル付のロッドを一定の重さを掛けながら地面に差し込み、その抵抗力から地盤の強度を測定するもので、調査結果(概ね地下10メートルまで対応)には信頼性があります。ハウスメーカーや工務店に依頼する場合は設計検討の流れの中で調査が実施されますが、どうしても施工会社の主観が入ります。万全を期すなら、施主が自ら第三者機関に公平な調査あるいはセカンドオピニオンを依頼する方法もあります。

※参照:国土交通省 国土地理院「古地図コレクション」
https://kochizu.gsi.go.jp/

基礎工法のチェックポイント

建物の重さを地盤に伝えるためには、基礎の形状と強度が大変重要です。基礎には大きく分けて3つの形式があり、耐震性能に大きく影響してきます。

独立基礎

柱の直下のみに基礎があるタイプで、鉄骨造や鉄筋コンクリート造等、フレームで成り立つ構造で良く採用されます。その多くはコンクリートや鋼管による杭基礎となります。

布基礎

柱の直下と耐力壁のラインを結ぶように連続してつなげた基礎です。コストバランスが良く、住宅では一般的に採用されている基礎工法です。

べた基礎(耐圧盤基礎)

布基礎の弱点である「剛性の低さ」「不動沈下のしやすさ」に対策すべく、近年採用事例が増えている工法です。布基礎を底盤でつなげて一体化したような形状をしており、大きな面で建物を支える考え方です。これにより建物の重さが分散されるため、軟弱地盤にも対応が可能となります。

新築の検討時には、建物上屋の構造と地盤の特徴を組み合わせて検討し、最適な基礎工法を選定するようにしましょう。既存住宅においても、どのような基礎構造が採用されているかは設計図面や目視で確認が可能な場合があります。

また、過去の大規模震災時には建物上屋と基礎が外れてしまい、住宅の倒壊を招いたケースが多々ありました。建物上屋と基礎をつなぐ「アンカーボルト」の設置基準についても、施工会社から十分な説明を受けるようにしましょう。

建物の重さを支えるために十分な地盤強度(地耐力)が、現状のままでは確保できない場合、あるいは将来不同沈下を起こす恐れがある場合には「地盤改良」の検討が必要です。「地盤改良」は木や鋼管による「杭補強」、セメントミルクを削孔に流し込む「杭状補強」、セメント系固化材を土に混入する「柱状改良」や「表層改良」などの種類があります。

最新の地震対策工法

住宅の耐震等級は、建物の構造強度を高めて地震による横揺れ(水平力)に耐える「耐震」の考え方ですが、「免振工法」や「制振工法」が一般住宅にも採用されるケースが近年増えています。

免震工法や制振工法は、それなりにコストも掛かる工法ですが、現行の建築基準法が大規模地震時の建物の損傷をある程度許容する耐震構造設計の考え方に基づいていますので、損傷を抑え建物被害を極力少なくするために非常に有効な工法です。

制振工法

地震の水平力を、ゴムやオイルダンパー等に吸収させる工法です。建物上屋の横揺れによるしなりを上手く受け流す働きをし、建物の損傷を最小限に食い止めます。

免震工法

基礎と建物上屋をボールベアリングや免振ゴム等で絶縁して水平力を軽減する工法です。地盤と建物上屋が切り離されるため、横揺れを建物に伝わりにくくする効果があります。

まとめ

ここまで、住宅の耐震性能を法的な基準から解説し、住宅性能評価制度における耐震等級や長期優良住宅についても解説しました。

マグニチュード8〜9クラスの巨大地震が、今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると言われています。住宅は、あなたと、あなたの大切な家族を守るシェルターです。大規模災害に対する備えとして、住宅の購入を検討する際には納得の行くまで耐震性能をハウスメーカーや工務店に確認しましょう。

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