住みやすい平屋にするための間取りルール4選
住みやすい平屋にするための間取りルール4選

家づくりコラム

住みやすい平屋にするための間取りルール4選

住みやすい平屋にするための間取りルール4選

平屋住宅といえば、一昔前は日本伝統の家屋でしたが、近年は優れたデザインの平屋が次々に登場して多くの若い世代に支持されて人気を博し、いまやおしゃれな住宅の代名詞となった感さえあります。
そんないま人気の平屋住宅ですが、さらにその魅力が増す、住みやすい間取りの工夫があることをご存じでしょうか?
今回は、これから平屋を検討されている方のために、住みやすい平屋住宅を建てるための間取りルールをはじめとして、世帯人数別の平屋に必要な広さなどを詳しく解説します。

平屋にするメリットとは?

ここからは、住宅を平屋で建築することのメリットについて解説します。

無駄なスペースがなく坪数と建設コストを抑えられる

2階建て、3階建て住宅との一番大きな違いは、上下階をつなぐ階段がないことです。階段がないため、そこに至るまでの通路としての廊下も省略できます。
その結果、移動のみに使用されるスペースが減り、居住に必要な部分の面積を十分に確保しやすくなります。同じ面積の住宅であれば、2・3階建ての住宅より平屋住宅の方がより居住スペースを確保できるでしょう。
廊下や階段を省いた分をそのまま延床面積の削減とすれば、建物の坪数を抑えられ建設費のコストダウンが可能です。

階段のないバリアフリー住宅の実現

2・3階建ての住宅は、エレベーターを設置しない限りバリアフリー化は不可能です。平屋住宅の間取りには階段の必要がなく、同じフロアでの平面移動のみになるので、本当の意味でのバリアフリーを実現した住宅と言えます。

ライフステージの変化に対応しやすい

平屋住宅は、年月を経ることによる家族構成の変化や加齢による体力の衰えなど、ライフステージの変化にも対応しやすくなります。
例えば、2階に子供室を設けると子が独立した後に空き部屋になりがちです。その頃には夫婦も年を取っており、1階と2階の行き来が体力面でも面倒になるからです。
最初から同じフロアで完結する間取りの平屋住宅であれば、空き部屋が出てもゲストスペースや納戸への転用や、間仕切りを取り払って広い部屋をつくることも可能です。

家族間のコミュニケーションが密になる

同じフロアで家族が生活する平屋住宅の間取りは、家族間の生活の様子がうかがいやすく、コミュニケーションを密にする効果があります。
高齢のご家族が居る場合は、万が一のトラブルの時にも異変にすぐに気付けるため安心です。
反抗期の子供が2階の個室に籠ることも回避できるでしょう。

平屋の間取りルール①「バリアフリー」

平屋はひと言で言えば、1階建て住宅です。階段がなく上下移動がないことは、バリアフリーに最適です。将来を見据えた間取りの実現が可能です。

子供にも高齢者にも優しい住まい

バリアフリーとは、体力の衰えた高齢者にのみ対応するものではありません。小さなお子様が階段などの段差で転落する事故を防ぐなど、子供から高齢者まで全ての世代が安全に快適に生活できるための配慮がなされていることを指します。

階段の上り下りが不要

1階と2階の行き来は、年齢を重ねていくと想像以上に肉体的にも心理的にもつらく、屋内の移動自体が生活の負担になってしまいます。
ワンフロアーで完結する平屋住宅の間取りは、縦移動の生活のストレスを取り除き、とても快適なものです。加齢により体力が落ちた時には、その利点がさらに効果を発揮します。

段差をなくす工夫

将来的に車椅子に対応できるように、ドアでなく引き戸を採用し、内外の段差を出来る限りなくす工夫をしておきましょう。
外部のアプローチも重要です。外部階段は手すり付きとし、出来る限りスロープを設けましょう。また、玄関土間を広めにしておくと車椅子の取り回しが楽になります。

平屋の間取りルール②「採光と通風」

平屋の間取りはすべての部屋が隣り合うため、採光や風通しに平屋ならではのひと工夫が必要です。

深い軒で採光をコントロール

平屋の利点のひとつに、低い位置に屋根があることが挙げられます。
方角と軒の深さの検討次第で、夏場は日射を遮り高温になることを避け、冬場は高度の低い太陽光を室内に採り入れて暖かくすることが可能です。
屋根の形状と軒の深さを上手に設計すれば、冷暖房エネルギーの負荷を抑える省エネ住宅を実現しやすくなります。

窓位置の工夫で風の通り道をつくる

軒の深さを上手に設計し、かつ通風を良くすると夏場でも空調に頼らず涼しく過ごすことが可能です。風は窓から窓へ抜けますので、室内に出来るだけ対角の位置関係となるように少なくとも2ヵ所の窓を設けるようにしましょう。

奥まった部屋も明るくするトップライトとドーマー

平屋の場合は上階がなくすべて屋根となるので、開放感のある高い天井の空間が実現できます。大きなワンルームのようなLDKや、個室にはロフトを設けて寝室や収納スペースとすることも可能です。
平屋の間取りは建物の中央部まで光が届きにくくなることがありますので、トップライトやドーマー窓で採光をすると、さらに効果的です。

中庭のあるコの字型・ロの字型の間取り

中庭のあるコの字型・ロの字型の間取り

隣家の壁が接近するような住宅密集地では、十分な採光や通風が取れない可能性があります。
そのような土地に平屋を建てるのであれば、建物のかたちをコの字型・ロの字型にして中庭をつくり対処することも可能です。
中庭をつくることにより、採光と風通しがよくなるだけでなく、防犯やプライバシー保護のメリットもあります。また、目が届く範囲で安心して子どもを遊ばせられることでしょう。

平屋の間取りルール③「屋内外の一体化」

平屋住宅の魅力はすべてワンフロアで完結した間取りです。庭や外構からの距離感が近く自然を目の前に感じられるメリットを活かして、外部から屋内へシームレスにつながる間取りにしましょう。

アプローチを間取りと考えて作り込む

平屋においてアプローチは単なる外部通路ではなく、間取りの一部と考えて、しっかりと造り込むといいでしょう。
住宅の雰囲気に合わせて樹木や草花をあしらったナチュラルなガーデニングや、枕木などを並べることで、屋外から屋内へシームレスな雰囲気作りができます。

ウッドデッキやテラスで内外をつなげる

ウッドデッキやテラスで内外をつなげる

ウッドデッキのある平屋の間取りは特におすすめです。アプローチにウッドデッキを持ってきて玄関ポーチとつなげても良いですし、リビングから庭へとつなげることでセカンドリビングとしても活用できます。気軽に子どもを遊ばせられますし、庭でBBQを楽しむときにも最適です。
また、ウッドデッキに屋根を付けることで雨でも活用できるスペースです。物干しやDIYの作業スペースにもなり、生活の利便性を高めてくれます。

ピクチャーウインドウで庭を内部に取り込む

平屋住宅は上階がないため構造的な負担が軽く、各部屋の開口部を大きく取れる傾向があります。
リビングの窓はできる限り大きく取り、自宅の庭や外の景色を借景として取り入れましょう。室内にいても外部の自然環境を感じられるのと同時に、部屋を広く見せる効果があります。

平屋の間取りルール④「快適な家事動線」

平屋住宅の間取りは、コンパクトかつ効率的な家事動線を実現できるのが特徴です。家事動線を意識した間取り設計をして、日々の家事の負担を楽にしましょう。

キッチンと洗濯室をつなげる

コンパクトなかつ効率的な家事動線を計画するときは、食事の支度のため一日の多くの時間を過ごすキッチンを中心に家事動線を考えるといいでしょう。
おすすめは、キッチンの隣に洗濯室を設けてつなげる間取り。可能であれば、浴室の脱衣所と洗濯室が兼用だとさらに効率的です。キッチンと浴室の動線がつながることで、移動距離が短くて済むので、食事の支度の合間に洗濯物ができるので家事の時短になります。

室内物干しスペースのおすすめと位置の考え方

家事の効率をさらに上げるために、洗濯室の隣に室内物干しスペース(ランドリールーム)を確保すると良いでしょう。
平屋住宅の間取りは主要な部屋を敷地いっぱいに設計しがちです。そのため、ランドリールームの設置は「ないよりはあればいい」程度の意味合いから安易に設置されがちで、ときに家事動線からかけ離れた廊下やリビング・寝室の一角に設けられる場合も…。
ランドリールームの位置が家事動線から外れていると、洗濯は毎日する家事のひとつですから、日々の家事がつらくなってしまいます。
それを避けるためにも、一番いいのは洗濯室の隣にランドリールームを設けることです。洗濯後にすぐに室内干しができるので、天候や時間を気にせずに洗濯ができるので効率的に家事ができます。

掃除のしやすい間取り

平屋はワンフロアーで目が行き届きやすく、掃除もしやすくなります。何より、掃除機を持って階段を昇り降りしなくていいことは大きなメリットです。
バリアフリーで広めの間取りにすると、お掃除ロボットを利用した全館自動清掃も可能です。

家事をしながら子供の様子を見る

平屋住宅は家族間の生活の様子がうかがいやすく、コミュニケーションを円滑にします。
キッチンはアイランド型やカウンター型としてダイニングと一体でつながる空間にすると、家事をしながら家族と話ができ、勉強している子どもともコミュニケーションを取りやすくなります。

坪数別平屋の間取り例

平屋の間取りは住む人数によって、どれくらいの坪数が必要になるのでしょうか。
そこで、平屋住宅における世帯人数別の坪数を、国土交通省の「都市居住型誘導居住面積水準」に基づいて計算してみました。
誘導居住面積水準とは、世帯人数に応じて豊かな住生活の実現の前提として多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準です。

「都市居住型誘導居住面積水準」に記載されている、世帯人数による戸建て住宅の面積を求める計算式は以下のようになります。
「25 ㎡×世帯人数+15 ㎡」
世帯人数を2人〜5人として、計算式に当てはめると下記のようになります。

2人世帯…75㎡(約20坪)
3人世帯…90㎡(約27坪)
4人世帯…115㎡(約35坪)
5人世帯…140㎡(約42坪)

参考:国土交通省「住生活基本計画」 別紙3 誘導居住面積水準
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000032.html

平屋は土地面積の制約を大きく受けますので、世帯人数により最低限必要とする土地面積が決まってきます。
例えば、建ぺい率60%の地域に3人世帯90㎡(約27坪)の平屋住宅を建てるためには、90㎡÷60%=150㎡(約45坪)の土地面積が必要です。
新規に土地を購入して平屋住宅の建設を検討されている方は、これらの数字と計算式を参考にしてください。

20坪の平屋の間取り

20坪の平屋の間取りでおすすめなのが、2LDKで夫婦2人暮らし向けの間取りです。
マンションであればファミリータイプに分類される面積ですので、夫婦それぞれ8畳程度の個室と必要十分な家事スペースを確保したうえで、14畳ほどのリビングダイニングが実現できます。
必要とする土地面積も30坪~となり、居住地域の選択肢も広がります。

30坪の平屋の間取り

30坪の平屋の間取りとして、おすすめなのは3LDKで3人~4人の核家族向けの間取りです。
最近流行の平屋住宅はこの規模のものが多く、8畳程度の夫婦寝室と6畳の子供室2部屋を確保できます。
生活のクオリティを高めるためのランドリールームなどの家事スペースや、シーズンオフの衣類や道具を収納する納戸も住宅内に確保できます。階段や廊下に取られるスペースがない平屋住宅ならではの利点と言えます。

40坪の平屋の間取り

40坪の平屋の間取りとしておすすめなのが、4LDKで4人~5人向けの間取りです。
1世帯のファミリー向けであれば、十分に広い延べ床面積を確保できるため、開放的な空間とそれぞれの個室の両立ができます。
2世帯住宅とすることも十分可能です。その場合は、親世帯のバリアフリーを優先する設計にしますが、親世帯の寝室は将来空き部屋となることも想定されるため、リビングに隣接させるなどして間取りの変更が可能な計画としておくのが良いでしょう。
ただし、140㎡(約42坪)の平屋を建築するために必要な土地面積は70坪~となるため、住宅用地としてはかなり広い部類となってしまいます。

まとめ

ここまで、平屋住宅のメリットと注意点、間取りの検討の際に留意することについて解説してきました。

コンパクトで生活しやすく、バリアフリーにも対応しやすい平屋住宅には大きな可能性があります。自然環境を上手に取り込み、内外一体の暮らしを実現しやすいのも大きな魅力で、都市部においても郊外部においても最適な間取りを導き出すことが可能です。

注文住宅を検討する際には、平屋住宅を選択肢のひとつとして考慮してみてはいかがでしょうか。

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