バリアフリー住宅とは?高齢になっても安心な住まい作りのポイントを解説
バリアフリー住宅とは?高齢になっても安心な住まい作りのポイントを解説

家づくりコラム

バリアフリー住宅とは?高齢になっても安心な住まい作りのポイントを解説

住宅内の事故で亡くなる方は、交通事故で亡くなる方よりも多いことをご存じでしょうか?

厚生労働省の調査によると、転倒や墜落、浴室での心筋梗塞など、2021年に住宅内における不慮の事故で亡くなった人は年間約1万3千人で、そのうち65歳以上の方が約9割を占めています。

高齢者が安心・安全に生活できるようにするためには、段差をなくし手すりを設けるなどの「バリアフリー」への配慮が欠かせません。

そこでこの記事では、「バリアフリー」について、住宅に取り入れるためのポイントを、実例を交えて解説します。

バリアフリー設計の注文住宅をご検討中の方は、ぜひこの記事をご一読いただき、ご自宅をより安全で快適なものとするための参考にしてみてください。

バリアフリー住宅とは?

「バリアフリー住宅」とは、住む人が安心・安全に日常生活を送るために支障となる「バリア(障壁)」を「フリー(取り除く)」にした住宅のことを言います。

主に高齢の方や障がいをお持ちの方に配慮して、段差を最小限にして通路や部屋の幅を広めに取り、歩行補助のための手すりを多く取り付けた住宅を指します。

最近では、小さなお子様や妊娠中の方など、年齢層や性別を問わず快適に利用できる「ユニバーサルデザイン」を含めて「バリアフリー住宅」と呼ぶ事も増えています。

「高齢になっても安心して住める」バリアフリー住宅にする3つのポイント

「高齢になっても安心して住める」バリアフリー住宅にする3つのポイント

バリアフリー住宅は、高齢になっても安心してお住いいただけます。バリアフリー住宅として配慮すべきポイントは以下の3つです。

バリアフリー住宅の安心ポイント① 段差をできるだけ少なくする

高齢になると、小さな段差でもつまずきやすくなります。また、車椅子を利用する場合には段差があると移動が困難になってしまいます。

伝統的な日本家屋では、廊下と部屋の段差が2~4cmあることが一般的でしたが、バリアフリー住宅ではそういった段差を徹底的に排除します。

バリアフリー住宅の数値基準としては、室内の段差は3mm以下とされています(玄関や浴室、バルコニーなど機能上段差が必要な場合を除く)。

バリアフリー住宅の安心ポイント② 転倒予防策をする

加齢によって足腰が弱ってしまうと、ちょっとした段差でも転倒しやすくなります。

安全に屋内を移動するためには補助となる手すりが必要になります。バリアフリー住宅では、階段はもちろん、玄関の上がり框(カマチ)や廊下、浴室などに手すりを設けることが必須です。

また、万が一転倒したときの対策として、床をクッション性の高い仕上げにする配慮も必要です。

バリアフリー住宅の安心ポイント③室内の温度差をなくす

冬場の部屋間の温度差により急激に血管が収縮して脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす「ヒートショック」には十分注意しなくてはなりません。

国土交通省の調査では、真冬でも室温を18℃以上に保つことによりヒートショックのリスクを大幅に軽減できるとされています。

室温を差をなくすには、エアコンなどの空調による室温コントロールはもちろん、住宅の気密断熱性を高めることが有効です。

あわせて読みたい住宅コラム「高気密・高断熱住宅とは?メリットや選び方を姫路の工務店が徹底解説

参照:国土交通省スマートウェルネス住宅等推進調査委員「断熱改修等による居住者の健康への影響調査 中間報告(第3回)」 別紙2

新築でバリアフリー住宅を建てる費用は約3,000万円

新築でバリアフリー住宅を建てる費用は一般的に約3,000万円と言われています。

新築でバリアフリー住宅を建てる場合は、廊下や出入り口の幅を広くして手すりを取り付けるなどのコストが掛かるため、普通の新築を建てるよりも費用はアップします。

それでも、高齢になっても安心して長く住宅を使用できますし、将来にリフォーム工事をするよりも新築時にバリアフリー対策をするほうが費用はお得です。

参考に、延べ床面積35坪の大きさでバリアフリー住宅を建てる場合の費用を試算して下図にまとめたのでご参考になさってください。

【例】35坪のバリアフリー住宅を建てた場合の費用

工事費内訳 金額
本体基本工事費 35坪✕60万円 2,100万円
バリアフリー工事費 ①玄関スロープ工事 30万円
②各所手すり工事 20万円
③バリアフリー設備(浴室) 20万円
④バリアフリー設備(トイレ) 10万円
外構工事費 150万円
諸経費 370万円
消費税 270万円
建築費用合計 約3,000万円

※気密断熱仕様のグレードアップ工事は除く

バリアフリー住宅は高齢者への配慮だけではなく、年齢層や性別を問わず快適に利用できる「ユニバーサルデザイン」の要素もあります。

子育て世代であっても、お子様の成長を安心して見守るために新築段階でバリアフリー仕様を検討されることをおすすめします。

バリアフリー住宅とは?高齢になっても安心な住まい作りのポイントを解説

出典:アイフルホーム姫路店「アイフルホームのキッズデザイン」より

バリアフリー住宅を選ぶ際に知っておきたい「高齢者等配慮対策等級」とは

バリアフリー住宅を検討する際には、「住宅品確法」の「高齢者等配慮対策等級」の基準を参考にするとよいでしょう。

「高齢者等配慮対策等級」とは、高齢者に配慮した建物の工夫の手厚さを1~5等級にランク付けしたものです。

特に新築時に対策を講じておかないと対応が難しい「移動時の安全性の確保」と「生活介助のしやすさ」を主眼として評価するものです。

住宅品確法:高齢者等配慮対策等級

高齢者等配慮対策等級 ※特定寝室…高齢者等の利用を想定した寝室
対象部位 等級5 等級4 等級3
①部屋の配置 玄関便所浴室及び食事室並びに脱衣室及び洗面所が、特定寝室と同一階にあること 便所浴室が、特定寝室と同一階にあること 便所が、特定寝室と同一階にあること
②段差 床が段差のない構造(設計寸法3mm 以下及び仕上げ寸法5mm以下)であること。ただし、次の場合は除外。 床が段差のない構造(設計寸法3mm 以下及び仕上げ寸法5mm以下)であること。 ただし、次の場合は除外。 床が段差のない構造(設計寸法3mm 以下及び仕上げ寸法5mm以下)であること。 ただし、次の場合は除外。
  • 玄関の出入口の段差(くつずり段差20mm 以下)
  • 玄関の出入口の段差(くつずり段差20mm 以下)
  • 玄関の出入口の段差(くつずり段差20mm 以下)
  • 玄関の上がりかまちの段差( 180mm以下)
  • 玄関の上がりかまちの段差( 180mm以下)
  • 玄関の上がりかまちの段差( 180mm以下)
  • 居室の小上がり床の段差( 300mm 以上 450mm 以下)
  • 居室の小上がり床の段差( 300mm 以上 450mm 以下)
  • 居室の小上がり床の段差( 300mm 以上 450mm 以下)
  • バルコニーの出入口の段差(180mm 以下)
  • バルコニーの出入口の段差(180mm 以下)
  • バルコニーの出入口の段差(180mm 以下)
  • 浴室の出入口の段差(20mm 以下)
  • 浴室の出入口の段差(20mm 以下)
③階段
  • 勾配が6/7以下で、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が 550mm 以上650mm 以下
  • 勾配が6/7以下で、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が 550mm 以上650mm 以下
  • 勾配が22/21以下で、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が 550mm 以上650mm 以下であり、かつ踏面の寸法が 195mm 以上
  • 蹴込みが 30mm 以下であり、かつ、蹴込み板が設けられていること
④手すり
  • 階段の両側に踏面の先端からの高さが 700mm から 900mm の位置
  • 階段の片側に踏面の先端からの高さが 700mm から 900mm の位置 
  • 階段の片側に踏面の先端からの高さが 700mm から 900mm の位置
  • 便所の立ち座りのためのもの
  • 便所の立ち座りのためのもの
  • 便所の立ち座りのためのもの
  • 浴室の出入り浴槽の出入り浴槽内での立ち座り姿勢保持及び洗い場の立ち座りのためのもの
  • 浴槽の出入りのためのもの
  • 浴槽の出入りのためのもの
  • 玄関の上がりかまち部の昇降及び靴の着脱のためのもの
  • 玄関の上がりかまち部の昇降及び靴の着脱のためのもの
  • 玄関の上がりかまち部の昇降及び靴の着脱のためのもの
  • 脱衣室の衣服の着脱のためのもの
  • 脱衣室の衣服の着脱のためのもの
  • 脱衣室の衣服の着脱のためのもの
⑤通路及び出入口の幅員
  • 日常生活空間の通路の有効な幅員が850mm(柱等の箇所にあっては 800mm)以上
  • 日常生活空間の通路の有効な幅員が780mm(柱等の箇所にあっては 750mm)以上
  • 日常生活空間の通路の有効な幅員が780mm(柱等の箇所にあっては 750mm)以上
  • 日常生活空間内の出入口の幅員が800mm 以上
  • 日常生活空間内の出入口の幅員が750mm 以上(浴室の出入口は650mm 以上)
  • 日常生活空間内の出入口の幅員が750mm 以上(浴室の出入口は600mm 以上)
⑥寝室、便所及び浴室
  • 浴室の短辺が内法寸法で 1,400mm 以上、面積が内法寸法で 2.5 ㎡以上
  • 浴室の短辺が内法寸法で 1,400mm 以上、面積が内法寸法で 2.5 ㎡以上
  • 浴室の短辺が内法寸法で 1,300mm 以上
  • 便所の短辺が内法寸法で 1,300mm 以上
  • 便所の短辺が内法寸法で 1,100mm 以上、長辺1,300mm 以上
  • 便所の長辺が内法寸法で1,300mm 以上
  • 寝室の面積が内法寸法で12㎡以上
  • 寝室の面積が内法寸法で12㎡以上
  • 寝室の面積が内法寸法で9 ㎡以上

バリアフリー住宅なら借入金利を引き下げられる【フラット35S】

住宅ローンで多くの方が利用している長期固定金利ローン「フラット35」は、バリアフリー住宅を対象に金利を引き下げることができます。

これは「フラット35」が、質の高い住宅を取得する場合に借入金利を一定期間引き下げる制度があるためです。

バリアフリー住宅もその対象となり、高齢者等配慮対策等級3~5の住宅に優遇金利が適用されるという大きなメリットがありますので、ご利用の際にはぜひ検討してみましょう。

【フラット35】S優遇金利と高齢者等配慮対策等級

金利プラン金利優遇内容必要等級
【フラット35】S
金利Bプラン
当初5年間金利▲0.25%高齢者等配慮対策等級3
【フラット35】S
金利Aプラン
当初10年間金利▲0.25%高齢者等配慮対策等級4

住宅の各部位におけるバリアフリー施工例をご紹介

住宅の各部位におけるバリアフリー施工例をご紹介

ここでは、安心安全にお住いいただくために配慮したバリアフリー住宅の施工例を、住宅の部位ごとにご紹介します。

バリアフリー施工例①外構・アプローチ

道路から玄関までのアプローチは、雨でも滑りにくい床仕上げにしましょう。

粗面のタイルやインターロッキング、土間コンクリートの刷毛引き仕上げがおすすめです。階段部分には手すりを設けると足腰が弱っても安心して上り下りできます。

敷地に余裕があるなら、スロープを設置するのもおすすめです。5%以下の緩やかな勾配であれば車椅子でも自力通行が可能です。介助なしでも自宅を出入りできます。

バリアフリー施工例②玄関・廊下・階段

玄関は引き戸がおすすめです。ドアだと開けるときに体を外に逃がす必要があり、車椅子の場合はドアの開閉に苦労してしまいます。

玄関上がり框の段差は無くせれば一番良いですが、構造上どうしても必要な場合は180mm以下とするのがバリアフリー住宅の基準です。

上がり框をまたぐときには体制が安定せず瞬間的な力が必要ですので、框付近に縦手すりを設けるといいでしょう。

廊下には手すりを設けて、床は滑りにくい材質のフローリングやコルクタイル、クッションフロア等を採用しましょう。

アイフルホームでは、ころんだ時のけがを軽減する「滑り止めクッション付き階段」をお選びいただけます。

高齢になると夜中にトイレに行く頻度も増えるので、暗くても足元を自動で照らしてくれるセンターを備えたフットライトを設置すると安心です。

バリアフリー施工例③入口戸

玄関ドアと同様、室内の出入り口も原則として引き戸を推奨します。

また、高齢になると指先の力が弱くなるので、握りやすいバーハンドルを採用するといいでしょう。また、閉じ込め事故防止として、内鍵に大型のサムターンを選ぶのをおすすめします。

老化の出入り口は、車椅子の利用を考えて有効開口を75cm以上確保できるようにしましょう。

開ける時も閉める時も、止まる前にブレーキがかかってゆっくり動く引き戸だと、急な開閉による挟まれ事故を防止できます。

バリアフリー施工例④キッチン

キッチンの調理器具は、安全性を考えてガスではなく火を使わないIHヒーターがおすすめです。

車いすに座ったまま調理ができる、高さ調整機能が付いたキッチンもありますので、新築でバリアフリー住宅を検討されている方は、依頼している工務店やハウスメーカーに確認しましょう。

バリアフリー施工例⑤浴室

ヒートショックのリスクを回避するためには、浴室の断熱が非常に重要です。断熱タイプのユニットバスと浴室暖房機の組み合わせがおすすめです。

バリアフリータイプの浴室では、脱衣室との段差を無くすことが必要です。ユニットバスであれば標準で対応できますが、造り付けの浴室の場合は出入り口に排水グレーチングを設けるなど、脱衣室の床をお風呂の水で濡らさない工夫が必要となります。

浴室内で手すりが必要な箇所は、

  1. 浴室の出入口
  2. 浴槽のまたぎ位置
  3. 浴槽内での立ち座りの位置
  4. 洗い場の立ち座りの位置

の4箇所が一般的です。中でも浴槽のまたぎ位置は必須。またぎ動作で姿勢が不安定になりますので、必ず付けるようにしましょう。

バリアフリー施工例⑤トイレ

高齢になると夜間に頻繁にトイレに行くようになるので、寝室から近い位置にトイレを配置するようにしましょう。

トイレの便器脇に、立ち座りのための手すりは必須です。おすすめはL型のもの。縦にも横にも握れるので、トイレの中で動きやすくなります。

人感センサーやリモコンで自動的にフタや便座が開閉できる機能が付いた機器を導入すると、腰を曲げる動作が減るので、転倒防止や、体への負担の軽減に役立ちます。

高齢者等配慮対策等級5ではトイレの室内横幅を1,300mm以上に規定していますが、これは介助スペースを想定したものです。

バリアフリー施工例⑥洗面化粧台

バリアフリー施工例⑥洗面化粧台

バリアフリー対応の洗面化粧台は、蛇口のハンドル操作が不要のセンサー式水栓がおすすめです。

車椅子対応の洗面台下部がオープンタイプのものも各社からラインナップされているので、依頼している工務店やハウスメーカーに相談、あるいはメーカーのショールーム等で実物を確認するといいでしょう。

バリアフリー施工例⑦リビング

リビングは床をフラットにせず、コーナーに小上がりを設けることをおすすめします。

あえて30~40cmの小上がり床にすると、ちょうどよい腰掛けになり車椅子からそのままスライドして利用できます。

小上がり床を、畳敷きにすれば年配の方には、休憩する場所、ご家族には昼寝や読書スペース、ときには洗濯物をたたんだりする家事をする場として活躍できます。

バリアフリー施工例⑧寝室

バリアフリー住宅では、ベッドを置いてもゆとりある広さの寝室が必要になります。高齢者等配慮対策等級4では内法面積12㎡以上(8帖程度)、等級3では9㎡以上(6帖程度)が認定基準となっています。

バリアフリー施工例⑨スイッチ・コンセント

スイッチ類は、押しやすいワイドスイッチを選定しましょう。

ワイドスイッチはユニバーサルデザインのひとつで、手の平サイズの大きなスイッチのことです。スイッチ全体がフラットデザインなので、手を握ったまま、軽い力で簡単に押せる設計になっています。

コンセントは通常床から20~30cmの高さに設置されますが、その高さだと差し込むときにかがむ動作が大変なため、バリアフリー住宅では50cm程度まで上げてもよいでしょう。

バリアフリー施工例⑩照明

室内照明は生活シーンに応じて調光・調色が可能なタイプがおすすめです。また手元操作可能なものだと、点灯・消灯のための動作が軽減して快適に使用できます。

バリアフリー施工例⑪暖房

ヒートショックを避けるためには、真冬でも18℃以上の室温をキープしたいものです。

居室と廊下や浴室の温度差が激しいとヒートショックの危険が増しますので、住宅の気密断熱性を高めた上で非暖房室を無くす設計が重要です。

室内を過度に暖め過ぎず、建物全体を暖めるセントラルヒーティングや床暖房を採用すると室内の温度ムラがなく安心快適にお過ごしいただけるでしょう。

まとめ

ここまで、バリアフリー住宅の概要と住まいづくりのポイントを解説してきました。

高齢者が安心安全に生活できるバリアフリー住宅は、どなたにとっても快適で使いやすい住宅です。

注文住宅をご検討中であれば、バリアフリー設計を取り入れることをおすすめします。将来的にリフォームで対応するよりもはるかにお得に工事ができます。

今回の記事を参考にしていただき、ご家族全員が末永く心地良く過ごせるバリアフリー住宅をご検討してみてください。

姫路市でバリアフリー住宅をご検討されている方は、当社「アイフルホーム姫路店」までご相談ください。

当社は兵庫県で30年間、3,000棟の施工実績を誇る工務店です。姫路市の地域に密着して注文住宅を多数手掛けてきました。

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