キッチンの種類からメーカーの特徴まで徹底解説!注文住宅購入者向けガイド

家づくりコラム

キッチンの種類からメーカーの特徴まで徹底解説!注文住宅購入者向けガイド

キッチンで料理する女性の画像

キッチンは快適な暮らしには欠かせない空間です。便利なだけでなく、おしゃれな雰囲気に仕上げたいと思いますよね。ところが、わくわくした気持ちで家づくりを始めたものの、種類やメーカーが多すぎて迷ってしまうケースも少なくありません。

今回は、注文住宅の購入を考えている方に向けて、キッチンの種類と特徴や選び方のポイントをお伝えします。人気メーカー6社の紹介もあるので、参考にお読みください。

キッチンの種類は対面式と非対面式

対面式キッチンで会話する女性の画像

住宅に設置するキッチンは、対面式と非対面式の2つに分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。

・対面式キッチン

キッチンからダイニングやリビングが見渡せます。開放的な雰囲気で、家族とコミュニケーションをとりながら調理できるのが特徴です。

代表的な種類として、「アイランドキッチン」「ペニンシュラキッチン」「セパレートキッチン」があります。

・対面式以外のキッチン

キッチンが壁に面して設置されているため、ダイニングやリビングに背を向けて調理する仕様です。作業に集中できるだけでなく、省スペースでも設置できるメリットがあります。

代表的な種類として、「L型キッチン」「壁付けキッチン」があります。

代表的なキッチンの種類と特徴5選

セパレートキッチンのイメージ画像

キッチンの代表とされるのが、コンロ、シンク、調理台が一列に並んだI型キッチンです。同じI型キッチンの中にも種類があるだけでなく、I型とは異なる種類のキッチンもあります。代表的な5つの種類について、特徴やメリット、デメリットを紹介します。

アイランドキッチン

アイランドとは、英語で「島」を意味する単語です。その名の通り、四方に壁がなく独立したキッチンを指します。

メリット
・左右どちらからも出入りできる
・人と動きがぶつからずに複数人で調理可能
・開放的な空間を演出できる
デメリット
・設置にあたりスペースが必要
・調理台の様子がダイニングやリビングから丸見えになってしまう
・収納スペースが限られる

ペニンシュラキッチン

ペニンシュラとは、英語で「半島」を意味します。キッチンの一部が壁に接している様子が、半島に似ていることから名づけられました。

メリット
・省スペースでも設置可能
・商品の種類が豊富
・作業台の様子を隠しやすい
デメリット
・リビングやダイニングへの通り道が1つしかない
・家具や家電の配置に工夫が必要
・複数人での作業がしにくい

L型キッチン

シンクとコンロの位置がL字状に配置されているため、移動距離が短く済みます。すべてを壁付けにしたり、シンク側をオープンにしたりもできます。

メリット
・シンクとコンロの行き来がしやすい
・効率的な調理や複数人での作業もスムーズ
・収納と作業スペースを広く確保できる
デメリット
・設置にあたってスペースが必要
・コーナー部分がデッドスペースになりやすい
・コンパクトサイズの場合、商品の種類が少なめ

セパレートキッチン(Ⅱ型)

シンクとコンロの部分がそれぞれ独立して、前後に配置されています。「Ⅱ型キッチン」とも呼ばれ、片方を壁付けにするのが一般的です。

メリット
・調理スペースを広く使える
・複数人での調理もスムーズ
・収納量が多い
デメリット
・設置にあたってスペースが必要
・シンクとコンロの行き来は振り向かなければならない
・水滴や油が床に落ちる可能性が高く汚れやすい

壁付けキッチン

キッチン全体が壁に囲まれた状態で設置されるため、他の種類に比べて独立感があります。

メリット
・設置に場所をとらない
・壁面を活用した収納やコンセントの設置が可能
・調理に集中できる
デメリット
・開放感に欠ける
・料理中にダイニングやリビングの様子が見えない
・複数人での作業には不向き

キッチンサイズの選び方ポイント

コンロを使って調理するカップル

使い勝手のいいキッチンを設置するためにはサイズ選びが重要です。注文住宅に多いシステムキッチンは、オーダーメイドではありません。既存の商品サイズから好みのデザインや種類を選択します。最適なサイズを選ぶためのポイントは次の通りです。

・高さ

キッチンの高さとは、床から作業台(ワークトップ)までの高さを指します。身長によって快適な高さは異なり、メーカーが推奨している理想の高さの計算式は、「身長÷2+5(cm)」です。たとえば、身長160cmの方は85cmの高さが目安となります。

日本工業規格(JIS)によって商品の高さが定められているため、80・85・90・95cmから選びます。同じ高さでも種類によって使い勝手が異なるので、ショールームやモデルハウスで実物を見学するのがおすすめです。

(参考:kikakurui.com「JISA0017:2018 キッチン設備の寸法」)

・奥行き

キッチンの種類によって奥行きのサイズは異なります。I型やL型キッチンの場合、65 cmが基本です。アイランドキッチンやペニンシュラキッチンは、80~100cmと広くなっています。

間取りや機能によっては希望の奥行きが選べないケースもあります。ダイニングやリビングとのバランスや使用目的も考慮しながら検討しましょう。

・間口(幅)

間口はキッチンのサイズを決めるにあたって、最も重要な部分です。一般的なサイズは210~270 cmで、多くの商品は15 cm刻みでサイズが選べます。間取りが自由に選べる住宅を購入する際は、ご自身の好みで設定可能です。

ただし、キッチンはコンパクトにしすぎてしまうと使い勝手が悪くなる恐れもあります。幅を変更したい場合は、専門家に相談するのがおすすめです。

キッチンカウンターの高さの決め方と活用法

ハイチェアのあるキッチンカウンターの画像

キッチンカウンターは使用目的によって役割が異なります。サイズを決める前に、どのように使うか考えると失敗しません。カウンターの活用方法と高さ別のメリットやデメリットについて解説します。

活用方法

キッチンカウンターは、リビングやダイニングのアクセントになります。家族とのコミュニケーションをとったり、作業効率をアップさせたりと幅広く活用可能です。

以下は、キッチンカウンターの活用方法の一例です。

・よく使う食器の置き場所
・ダイニングテーブルや学習机として代用
・食材や調味料置き場
・収納スペースとして使用
・植物やインテリアグッズを飾る
・キッチンエリアの目隠し

例を参考に、ご自身のニーズに合わせて柔軟に設計しましょう。

高さ別のポイント

キッチンカウンターの高さは目的に応じて自由にアレンジできます。ワークトップを規準として、高さ別に特徴を見てみましょう。

ワークトップより高い場合

カウンターの高さがあると、調理台を隠せるメリットがあります。奥行きを広く設ければ、シンク上部の収納スペースとしても活用可能です。ただし、カウンターをテーブルとして使用する際は注意しなければなりません。椅子の高さも必要となるため、小さなお子さんがいる場合は注意が必要です。ハイチェアの設置に不安がある場合は、ダイニングチェアの高さに合わせましょう。

ワークトップより低い場合

従来のテーブルと高さが変わらないため、ダイニングテーブルの代用としても十分機能します。お子さんでも安定して座れるため、宿題をさせながらの調理も可能です。日常的にカウンターで食事をとる場合は、奥行きのあるカウンターがおすすめです。カウンター下に収納を設けたい方は、足元のスペースについて考える必要があります。

ワークトップと同じ高さの場合

カウンターの高さが気にならないので、スタイリッシュでおしゃれな雰囲気の空間が演出できます。また、作業台のスペースが広くなる分、機能性が上がって便利です。ホームパーティーや大皿料理を提供する機会が多い方にとっては作業効率が上がります。ただし、調理台の様子が視界に入りやすいので、整理整頓を小まめに行う必要があります。

人気メーカー6社のシステムキッチンの特徴を比較

モデルルームのキッチンイメージ画像

メーカー各社は、価格帯に応じて幅広い種類の商品を取り揃えています。商品ごとに特色やデザインが異なり、同じメーカーでも選択肢は1つではありません。メーカー別に特徴やおすすめしたい人を紹介しますので、比較してご覧ください。

LIXIL(リクシル)

キッチンだけでなくお風呂や窓、カーポートなど、幅広い製品を扱う総合設備メーカーです。

LIXILの特徴
・熱やキズに強いセラミックワークトップ
・調理と片付けが効率的に行えるシンク
・手を使わずに水が出る水栓
・必要なものが手の届く「らくパッと収納」
・こまめなお掃除が不要なファン
LIXILがおすすめの人
・高い耐久性を求める
・調理と片付けの効率を重視する・
・掃除の手間を軽減したい

詳細情報や製品のラインナップは、LIXIL公式サイトをご覧ください。

クリナップ

ステンレスの素材にこだわり、キッチンだけでなくお風呂や洗面化粧台なども含めた設備メーカーです。

クリナップの特徴
・自由なコーディネートが楽しめる
・豊富な種類特殊コーティングにより汚れが落としやすいワークトップやシンク
・自動洗浄機能を持つレンジフード
・専業メーカーとしての実績と信頼性がある
・数十年後も清潔で丈夫なステンレス製の構造
クリナップがおすすめの人
・自由なコーディネートを楽しみたい
・汚れの落としやすさを希望する
・清潔で丈夫なステンレス製のキッチンを求める

詳細情報や製品のラインナップは、クリナップ公式サイトをご覧ください。

パナソニック

電気メーカーとして知られていますが、長年にわたり住宅設備製品も手がけてきた実績があります。

パナソニックの特徴
・傷や汚れに強く、美しいスゴピカ素材のカウンター
・調理がスムーズな「ワイドコンロシリーズ」の横並びのコンロ
・傷にも汚れにも強い素材のシンク
・フライパンを立てて収納し、出し入れがスムーズなスタンドイン収納
・手元にあって使いやすい「クッキングコンセント」
パナソニックがおすすめの人
・効率的なコンロを希望する
・手元に便利なコンセントが欲しい
・出し入れがスムーズな収納を希望する

詳細情報や製品のラインナップは、パナソニック公式サイトをご覧ください。

タカラスタンダード

ホーローと呼ばれる金属板にガラスを焼きつけて、製品を製造しているメーカーです。

タカラスタンダードの特徴
・汚れが染み込まないホーロー素材
・デッドスペースゼロの大容量収納
・動きに無駄がないレイアウト
・内装やインテリアに合わせてカスタマイズ可能
・マグネットで収納スペースを増やせる
タカラスタンダードがおすすめの人
・大容量の収納スペースを必要とする
・インテリアに合わせカスタマイズしたい
・効率的な作業を求めている

詳細情報や製品のラインナップは、タカラスタンダード公式サイトをご覧ください。

TOTO(トートー)

トイレで有名なメーカーですが、キッチンやお風呂など、水回り全般の設備も手がけています。

TOTOの特徴
・少ない水でしっかり洗えるエアインシャワー
・足でこまめに水を出し止めできる水栓スイッチ
・よく使うアイテムを取り出しやすく、収納しやすいデザイン
・水やごみをスムーズに流す「すべり台シンク」
・ファンの手入れが10年間不要のスーパークリーンフード
TOTOがおすすめの人
・節水を重視する
・収納や使い勝手にこだわりがある
・お掃除の手間を軽減したい

詳細情報や製品のラインナップは、TOTO公式サイトをご覧ください。

キッチンハウス

プレミアムなオーダーキッチンを取り扱うメーカーで、人気が高まっています。

キッチンハウスの特徴
・扉とワークトップを30色から選択可能
・ヨーロッパの主要メーカーが選んだ素材「エバルト」を使用
・デザイン性に優れた把手を多彩に用意
・レイアウトにダイニングテーブルを組み合わせられる
・好みのメーカーの設備機器を選択できる
キッチンハウスがおすすめの人
・デザインにこだわりたい
・高品質な素材を重視する
・自分好みの設備機器を選びたい

詳細情報や製品のラインナップは、キッチンハウス公式サイトをご覧ください。

上記の情報は、2023年6月現在の情報です。各メーカーとも、日々商品をアップデートしています。最新の情報や種類ごとの詳細は、ショールームの見学やメーカーに問い合わせるのが大切です。また、住宅会社によって標準採用しているメーカーが異なるので注意しましょう。

まとめ

注文住宅のキッチンは、種類やメーカーの特徴、メリットやデメリットを理解して選べば後悔しません。記事で紹介した内容を参考に、ショールームやモデルハウスで実物に触れるのも重要です。疑問や質問は住宅会社の担当者に相談し、ご自身のライフスタイルに合ったキッチンを手に入れましょう。

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