リビング階段のメリットとデメリットを徹底解説!家づくりで失敗しないためのポイント
リビング階段は、おしゃれで開放感が魅力の間取りです。一方で、冷暖房の効率が下がる問題やプライバシーの確保など、注意したいポイントもあります。この記事では、リビング階段のメリットとデメリットを詳しく解説し、家づくりで失敗しないためのコツをご紹介します。家族の暮らし方やライフスタイルに合った間取りを選び、理想の住まいを実現するための参考にしてください。
リビング階段とは?特徴と基本情報を解説
リビング階段とは、「リビングイン階段」とも呼ばれ、リビング内に2階へ続く階段を設置した間取りとなります。
2階に上がる際に必ずリビングを通るため、家族が自然に顔を合わせる機会が増えるという点が特徴です。また、階段があることで、リビングが広く感じられるという視覚効果もあります。
リビング階段はデザイン性が高く、設置するだけでおしゃれな家になるというのも魅力です。「吹き抜け」と組み合わせると視線が縦に広がり、リビング全体がより開放的に見えます。注文住宅では、リビング階段と吹き抜けの組み合わせが人気です。
吹き抜けについては「吹き抜けのデメリットを徹底解説!後悔しないためのポイントや注意点とは?」をご覧ください。
リビング階段3つのメリットを知ろう
リビング階段には、いくつかのメリットがあります。マイホームを購入する際に良い点を理解しておくと、リビング階段を活かした家づくりができるのでおすすめです。ここでは、リビング階段の主なメリット3つを具体的に解説します。
リビング階段のメリット1: 親子のコミュニケーションが増える
リビング階段の1つ目のメリットは、親子の会話やコミュニケーションが増えることです。
子どもが成長して自分の部屋で過ごす時間が増えると、親と顔を合わせる機会が減ってしまいます。せっかく家を建てたのに、家族の会話が減るのは寂しいものです。リビングに階段を設置すると、子どもの帰宅時や外出時に必ずリビングを通るようになります。自然と顔を合わせる機会が増え、会話が生まれやすくなるという点が魅力です。
もちろん、リビング階段を作るだけで必ず会話が増えるわけではありません。親子の会話を増やすためには、お互いの意見を聞いたり、信頼関係を築いたりする必要があります。子どもの様子を目にする機会が増えると少しの変化にも気づきやすくなるため、リビング階段は非常に魅力的な間取りです。
SNSでも、「リビング階段にしたおかげで子どもの様子がわかるようになり、悩んでいる時にもすぐに声をかけられるようになりました。」という親御さんの声もあります。お子さんがいる家庭では、玄関から直接2階に上がる階段よりもリビング階段を検討してみるのがおすすめです。
リビング階段のメリット2: 面積を有効活用できる
リビング階段の2つ目のメリットは、家のスペースを有効に使えることです。
家を建てるにあたって「リビングは広い方が良い」と考えているようであれば、リビング階段は希望を叶えるのに最適な間取りとなります。たとえば、玄関ホールに階段を設置すると、階段の分だけ玄関が狭くなってしまうというのがデメリットです。しかし、リビングに階段を置くことで玄関の面積は広くなります。また、リビングに階段を設けると、視覚的に広がりを感じられるのが利点です。とくにスケルトン階段にすれば、より広々とした印象になります。
さらに、階段下のスペースがリビングにあると、以下のように活用できて便利です。
- テレビを置く
- お掃除ロボットの充電スペースにする
- 小さなワークスペースにする
- ペットの食事や休憩場所にする
玄関ホールに階段を作ると、階段下のスペースは物を置くだけになりがちです。リビング階段なら空間を広く見せたり、生活を便利にしたり、非常に魅力的な間取りとなります。
注文住宅の間取り設計のポイントについては「間取りを自由に選べる注文住宅で後悔しないポイントと7つの具体例を徹底解説」をご覧ください。
リビング階段のメリット3:おしゃれなリビングを実現
リビング階段の3つ目のメリットは、リビングの雰囲気が一気におしゃれに見えることです。
憧れのマイホームを手に入れるなら、素敵なリビングにしたいと思いませんか。シンプルで無駄のないデザインのスケルトン階段を選べば、リビング全体がモダンでスタイリッシュな空間に仕上がります。スケルトン階段自体が部屋のアクセントにもなるので、友人や知り合いを家に呼んだ際に注目の的となるでしょう。
リビング階段を取り入れる人は年々増えていて、多くの人がデザイン性の高さを理由に選んでいます。「一時的な流行」と考えられていた時期もありましたが、今では定番の間取りとして多くの家で採用されています。
リビング階段は、写真で見るよりも実物は存在感が際立つというのが特徴です。おしゃれな雰囲気や開放感を実際に体感するためにも、モデルハウスで見学することをおすすめします。
リビング階段のデメリット3つと注意点
リビング階段には多くのメリットがある一方で、注意しないと入居後に後悔するデメリットも存在します。ここでは、新築前に知っておきたい3つのデメリットを紹介しましょう。
リビング階段のデメリット1:冷暖房の効率が下がりやすい
リビング階段の1つ目のデメリットは、冷暖房が効きにくくなることです。
リビング階段についてインターネットで調べると、「冬は寒い」「夏は冷房が効きにくい」という意見を多く目にします。暖かい空気は上に上がる性質があるため、リビングで暖房をつけても、暖かい空気が階段を通じて2階へ逃げてしまうためです。冬はリビングがなかなか暖まらず、寒いまま過ごさなければならないケースもあります。
一方で、冷たい空気は下にたまる性質があるため、冷房の効果は暖房ほど低下しにくいのが特徴です。
ただし、リビング階段と2階のホールはつながっており、冷やす空間が広がってしまいます。その結果、リビング全体を冷やすには多少時間がかかるという点が課題です。とくに夏の暑い日に帰宅すると、冷房の効き目が弱く感じられる可能性もあります。
おすすめの対策法
冷暖房の効き目を良くするには、高気密・高断熱の家を建てるのが効果的です。外気温の影響を受けにくく、冷暖房で快適になった空気が外に逃げにくい魅力があります。リビング階段があっても冷暖房の効率が良く、電気代の節約につながる点がメリットです。注文住宅でリビング階段を取り入れる際は、気密性や断熱性も高めるようにしましょう。
高気密・高断熱の家づくりについては「高気密高断熱住宅の基準とは?家を建てる前に知っておきたいポイントと省エネ住宅の将来」をご覧ください。
リビング階段のデメリット2:休日にくつろぎにくい
リビング階段の2つ目のデメリットは、休みの日にリビングでのんびり過ごしにくいことです。
休みの日にラフな格好でくつろぐのが好きな人には、リビング階段はあまり向いていない場合があります。リビングに階段があると、お子さんの友だちが遊びに来た際や家族が2階へ移動する際に必ずリビングを通るためです。とくに年頃のお子さんの場合、親がラフな格好でくつろいでいる姿を恥ずかしく感じることもあるでしょう。
また、共働きや育児で平日はリビングが散らりやすいご家庭では、お子さんの友だちや親御さんに「片付いていない家」という印象を与えてしまう可能性もあります。とくに小さなお子さんは遊びに行った家の様子を親に話す傾向が高いので、気をつけたいポイントです。
おすすめの対策法
リビング階段を取り入れる場合は、次のような工夫をおすすめします。
- お子さんに、友だちが遊びに来る日を早めに教えてもらう
- 前日までに掃除や片付けを済ませておく
- 当日はきちんとした服装を心がける
毎週のように誰かを招く環境でなければ、リビング階段があっても快適に過ごせるようになります。
リビング階段のデメリット3:音やニオイが2階に伝わる
リビング階段の3つ目のデメリットは、1階の音やニオイが2階に伝わりやすいことです。
たとえば、1階でテレビの音や話し声が大きいと、2階の寝室で休んでいても騒音として気になります。部屋のドアを閉めれば問題ないと思うかもしれませんが、換気のためにドアの構造は下部に隙間を設けてあるのが一般的です。1階の音が意外と伝わりやすく、お子さんの睡眠や勉強の妨げになる可能性も考えられます。
また、リビング階段があると、キッチンで調理した料理のニオイが2階まで上がってきやすくなるのも問題です。たとえば、焼肉やキムチ鍋など香りの強い料理を作った場合、2階に干している洗濯物にニオイがついてしまいます。
注文住宅のキッチンの設計ポイントについては「後悔しないキッチン選びがしたい!注文住宅でよくある失敗6選と種類や特徴を徹底解説」をご覧ください。
おすすめの対策法
リビング階段からの音やニオイを防ぐためには、次のような工夫がおすすめです。
- 洗濯物干しスペースを仕切る:2階の洗濯物干しスペースを建具やロールスクリーンで仕切ると、料理のニオイが届きにくくなります。
- 部屋のドアの向きを工夫する:2階の部屋のドアを階段に直接向けないようにしたり、階段から離れた位置に部屋を配置したりすると、1階からの音が部屋に伝わりにくくなります。
リビング階段のある家づくりを成功させるコツ
リビング階段を成功させるためには、以下の2つのポイントをしっかり押さえることが重要です。
1. 階段のレイアウトを考える
リビング階段の位置や形によって、見た目や使い勝手が大きく変わります。主な階段の種類と特徴を見てみましょう。
直線階段(ストレート階段) | 真っすぐな形で、上り下りがしやすく見通しも良い階段です。シンプルなデザインが特徴となります。 |
かね折れ階段 | 階段の途中で向きが90度変わり、踊り場があるタイプです。スペースを節約でき、安全性も高められます。 |
回り階段 | 途中で90度または180度向きを変える階段です。カーブ部分の踏み板が三角形になり、2階が見えにくいという特徴があります。 |
らせん階段 | らせん状に回りながら上り下りする階段です。デザイン性が高く、他の階段よりも少ないスペースで設置できます。 |
階段の位置を工夫すれば、リビングとダイニングキッチンを分けるような使い方も可能です。ご自身の生活スタイルに合った形状や配置を選びましょう。
2. 動線効率とプライバシーのバランス
リビング階段の配置場所によって、使いやすさやプライバシーは以下のように変わります。
LDKの中央に階段を置く場合 | 移動がしやすくなる一方で、階段が目立つことでプライバシーが損なわれるという課題もあります。 |
LDKの端に階段を置く場合 | 階段が目立ちにくくなる一方でリビングを横切る移動距離が長くなるため、不便に感じる可能性があります。 |
効率的な動線とプライバシーのどちらも考慮し、家族にとってベストな配置を見つけることがリビング階段を成功させるポイントです。使いやすさ、安全性、デザイン性のバランスを考えながら、間取りを工夫しましょう。
リビング階段を選ぶ際の最終的な判断ポイント
リビング階段は、おしゃれなデザインや家族とのコミュニケーションの増加といった魅力的なメリットが多くあります。一方で、冷暖房効率やプライバシーの確保といった課題もあり、以下のポイントを最終的な判断基準として考えるのがおすすめです。
- 家族構成やライフスタイルに合っているか:小さなお子さんや高齢の家族がいる場合、安全対策を徹底する必要があります。家族が頻繁に顔を合わせたいと考える場合、リビング階段は最適です。
- 冷暖房効率をカバーできる設計か:高気密・高断熱の性能が十分に確保されているかを確認しましょう。断熱性が低い住宅では冷暖房の効率が悪くなり、電気代が高くなるという可能性があります。
- プライバシーへの配慮ができるか:リビング階段の位置やレイアウトを工夫し、プライバシーを確保することが重要です。リビングから見えにくい配置や目隠しの設計も検討してみましょう。
- デザイン性と実用性のバランス:スケルトン階段や吹き抜けなどデザイン性の高い間取りは魅力的ですが、実用性とのバランスを考える必要があります。日常の掃除の手間や安全性も重要な要素です。
- コストに見合った価値があるか:リビング階段の導入費用(施工費や冷暖房費など)に対して、得られるメリットが価値のあるものかを慎重に検討しましょう。
- ハウスメーカーや工務店との相談:家づくりのプロと相談し、メリット・デメリットを具体的に確認すると安心です。モデルハウスの見学や実際の間取り例を見ると、具体的なイメージを持てます。
ハウスメーカーの選び方については「ハウスメーカーと工務店の違い徹底比較!家づくりのポイントを詳しく解説」こちらの記事をご覧ください。
まとめ
リビング階段は、親子のコミュニケーションを増やしたり、リビングを開放的に仕上げたりするメリットがあります。一方で、冷暖房効率が下がりやすく、プライバシーの確保が難しいというのがデメリットです。高気密・高断熱の家づくりやベビーゲートを設置すれば、住み心地と安全性を向上させられます。ハウスメーカーや工務店担当者に相談し、後悔しない選択をしましょう。